第55回 同性愛は遺伝か、選択か? レズビアン作家とゲイジャーナリストの仁義なき論戦

 

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まきむらよ。

毎週月曜、こちらの連載、世界のニュースから性を考える「まきむぅの虹色ニュースサテライト」をお送りしております。

今回のテーマは、

同性愛は遺伝か、選択か? レズビアン作家とゲイジャーナリストの仁義なき論戦

です。

★ なぜ「同性愛は遺伝か、選択か?」なんてことでモメるの?
★ 遺伝か選択か、どう考えるのが主流なの?
★「生まれつきだから、差別してはいけない」?
★「洗剤選ぶみたいな選択じゃないのよ!!」遺伝派vs選択派のバトル

以上の流れでお送りします!

★ なぜ「同性愛は遺伝か、選択か?」なんてことでモメるの?

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「同性愛の原因」については、今まで、主に社会科学・心理学・遺伝学・精神分析学・医学・動物行動学の分野で研究されてきました。

で、
性に関わる要素が父から娘に/母から息子に遺伝すると同性愛者になる
写真:PAKUTASO

たとえばカリフォルニア州で同性婚を法制化するか否かの裁判では、「同性愛は生まれつきの仕方ないことなんです! だから同性結婚もOKにしてください!」という主張がなされました(出典:Los Angeles Times)。先週末、同裁判を題材にした「同性愛が生まれつきのものならば仕方ないが、そうとは証明されていない。だから処罰する」という立場をとっています。

しかし、ここで考えたいのは「本当に“生まれつきなら仕方がない”のか?」ということですね。生まれつきであるかないかに関わらず、カリフォルニア州で同性カップルが結婚という制度から排除されていたことや、ウガンダで同性愛者が国家権力により迫害されていることは変わりません。

「遺伝による生まれつきのものだから差別してはいけない」というならば、「じゃあ生まれつきじゃない人は差別していいの?」という話になってしまいます。それはおかしいですよね。

ちなみに日本では面白いことに、同性愛を「遺伝」だと言う人も「選択」だと言う人も、どちらも自身の偏見を正当化するために言っている例がみられます。前者は「(同性愛者は)どこかやっぱり足りない感じがする。遺伝とかのせいでしょう。マイノリティーで気の毒ですよ」と発言した石原慎太郎前都知事、後者は「行政がホモの指導をする必要があるのか。偏った性嗜好で本来ハイリスクは承知でやっている人たちのこと」と発言した井上英之兵庫県議が代表例ですね。

自分自身も含め、人間は自分の主張に合うように物事を見てしまうのだなあということを改めて感じます。

……ということで「遺伝vs選択」論争の背景紹介はこのへんにして、実際のバトルをご紹介してまいりましょう。レズビアンの作家で活動家でもあるジュリー・ビンデル氏(52)と、ゲイのジャーナリストであるパトリック・ストラドウィック氏(37)の論戦です!

※なお、以下はジュリー・ビンデル氏の著書と、それに対するパトリック・ストラドウィック氏の発言を一部引用して対話文形式に構成したものです。「引用元」をクリックすると原文が読めます。

それでは……レディーーーー、ファイっ!!

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写真:(引用元)

パトリック・ストラドウィック氏(以下パトリック):“そんな、性的指向はアラカルトメニューみたいに選択できる話じゃないでしょう。(中略)あなたはいつ女性に惹かれることを選んだっていうんです?”

元記事は、こんなふうに締めくくられています。

ジュリー:まったくもう、あなたって本当に執念深いのね。

パトリック:褒め言葉だと受け取っておきます。

そして最後に、パトリック・ストラドウィック氏執筆による記事は、なんとこんな一行で終わっています。

「ジュリー・ビンデルの新刊発売中 (12.99ポンド)」

……

…………

ツンデレなの? ツンデレなのねパトリック!?

これが新聞の編集部による宣伝だったとしても、これだけやりあった相手の新刊を自分の記事で宣伝することを許すなんて、同業者同士の義理でしょうか。それともやっぱパトリックはツンデレなんでしょうか。ケンカするほど仲が良い説をわたしとしては推しつつ、今後もジュリー&パトリックの論戦をわくわく観戦してまいりたいと思います。仲良くケンカしてね!

ということで、読んでくださってありがとうございました。また来週月曜日にね! まきむぅでした◎

 

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