第56回 フランスのオタクが集う「やおい百合コン」が色々濃い

薄い本をつくっていらっしゃるみなさん、夏コミ新刊の入稿は終わったかしら?
まきむらよ。
毎週月曜、こちらの連載「まきむぅの虹色ニュースサテライト」をお送りしております。
今回のテーマは、
フランスのオタクが集う「やおい百合コン」の内容とは
です。
マンガ・小説などで、男性同士の恋愛を描いた創作作品「やおい(yaoi)」および女性同士の恋愛を描いた創作作品「百合(yuri)」。
フランスの出版社が日本のやおい漫画につけてるマークが直接的すぎる件について pic.twitter.com/JZ1RtjwRt4
— まきむぅ(牧村朝子) (@makimuuuuuu) 2013, 10月 8
過去記事「世界・腐女子発見! アメリカ・フランスBL事情」でもご紹介した通り、やおい・百合はフランスのオタク界でもやおい・百合っていう日本語がそのまま通じるほどの人気を誇っています。ファンが集うイベント「やおい百合コン(Yaoi Yuri Con)」は、初開催から今年で4年を迎えます。
今回はそんな「やおい百合コン」の様子を、
★ 夏コミとジャパンエキスポの裏で……「やおい百合コン」の内容とは
★ 「やおい百合コン」コスプレコンテストの内容が濃い件
★ フランスで出てる薄い本のクオリティがすごい
★ 「やおい百合コン」とはいえ、やおいが圧倒的優勢
以上の流れでお届けします!
★ 夏コミとジャパンエキスポの裏で……「やおい百合コン」の内容とは

やおい百合コン。
それは、男子同士のいちゃラブ、女子同士のキャッキャウフフが大好きなフランスのオタクたちが集結する薔薇色で百合色な二日間。
日本最大級の同人誌即売会「コミケ(コミックマーケット)」と、フランス最大の日本文化紹介イベント「ジャパンエキスポ」の裏で、地方都市リヨンに600平方メートルくらいの会場を借りて行われているファンイベントです。
ポスターに「フランスで唯一」とか書いてあって、誇らしげに日本語使ってみた感じがとてもいとおしいですね。
「やおい百合コン」はもともと、やおいや百合のファンたち・同人作家・プロ作家・編集者などを結ぶ協会として2009年にスタートしました。2010年には初のイベントを開催し、その後2013年まで毎年開催。2014年はジャパンエキスポにブースを出しただけで単独開催の予定はありませんが、ともあれ今年で4年目ということになります。
そんな「やおい百合コン」の内容は……
・マンガ、小説、映像作品、ゲームのブース出展(プロ・同人問わず)
・アニメ作品の上映
・カラオケ大会
・ファン同士の交流イベント
・作家によるサイン会
・コスプレコンテスト
・イラスト教室
などなど、ぎっしり盛りだくさん。
12歳以下入場禁止っていうゆるいのかゆるくないのかわからない年齢制限も気になりましたが、わたしとしては特に、コスプレコンテストのパフォーマンスの自由っぷりに感動しちゃったわ! 続いてご紹介してまいります!
★ 「やおい百合コン」コスプレコンテストの内容が濃い件
さてこちらは、最近アニメがリメイクされて話題の「美少女戦士セーラームーン」より、「百合界のカリスマ」ことセーラーウラヌス&セーラーネプチューンのコスプレです。
変身シーンのBGMとともに、ダンスを披露するコスプレイヤーさん2人ですが……
ち……
ち……
ちゅーしてるんですけど!!
こ……これがフランスクオリティ……!!
と思ったらさらに激しいのあった
どう考えても腐女子を狙い撃ちしてきてるようにしか思えないマンガ作品「黒執事」より、執事セバスチャンと領主シエルのコスプレです。
ちゅーどころか四つん這いにさせて上に乗っかってお尻ぴしぴししてます。
さすが……さすがフランスさんやでぇ
こうしてみると日本の作品からの二次創作やコスプレばかりのように思えますが、それだけでもないのよ。フランスには「バンド・デシネ」という、芸術性の高い大判コミックの伝統があって、同性愛を扱った作品ももちろん出ています。またオリジナル作品を描いている同人作家さんもいるんですよ。
★ フランスで出てる薄い本のクオリティがすごい

公式サイトでたくさん見られるので、体毛濃い目の兄貴が好きな方はぜひ見てみてね!
また、社会派なあなたには、フランスの同性婚法制化までを描いた風刺漫画「
パリのマンガ売り場がこんなことになっていたので急いで #百合ください pic.twitter.com/QuCNspGrWk
— まきむぅ(牧村朝子) (@makimuuuuuu) 2014, 2月 27
本屋さんにやおい専門コーナーがあるのに百合は無いとか、フランスのマンガ専門サイトでファン投票による「やおい&百合マンガランキング」を開催したらそもそもやおいに占領されて百合が一切ランクインしなかったとか、やおい人気に押されて百合は悲惨なことになっております。
なんていうか、確かにわたしは「ガンダムW」の薄い本を読んで育ち「BLACK×MATRIX」を隠し主人公目当てにプレイし「グラビテーション」を観てコタニキンヤファンになったクチですけれども結局のところ百合を愛しているので、まったくもう、ほんとにもう、
ええい我が軍は何をしておるのだ! かかれ百合豚ども! むしろ私がかかりますけど! ブヒィィィィィ!!!!
って感じよ。
ジャパンエキスポでも、イギリスの第二次世界大戦中のスローガン「Keep calm and carry on(落ち着いて、戦い続けろ)」をもじった、「Keep calm and read yaoi(落ち着いて、やおいを読め)」っていう缶バッジが売ってたわ。
なんで「百合を読め」缶バッジはないのよ!?
って日本語でキレてたら、売り子の女の子が日本語わかる人だったみたいで苦笑されました。
いったい、どうしてなのかしらね? まぁとにかく、好きなものは好きだからしょうがないのよね。「やおい百合コン」および百合業界のさらなる隆盛を、わたくしは心から願っております。
ということで、今回も読んでくださってありがとうございました! また来週月曜日にね。まきむぅでした◎