第68回 じつはXジェンダー? ひろこさんに聞いてみた。

こゆき:今日は「Xジェンダー」について考えてみようと思います。

ひろこ:いきなりレクチャーモードですね(笑)

こゆき:まず初めに、簡単にではありますが、性別について基本的な考え方をおさらいしたいと思います。

<性別を考える3つのものさし>
1. 身体的性別:からだの性別。生まれたときにお医者さんが判断した性別。
2. 性自認:心の性別。自分が思う性別。
3. 性的指向:好きになるかならないか、なるとしたらどんな性別の人を好きになるのか。

私はレズビアンで、この3つ目のものさし「性的指向」が多くの人とは異なるセクシュアル・マイノリティです。
(注:これは分かりやすさを優先した考え方で、このものさしでは表現できないセクシュアル・マイノリティの人もいます。)

今回取り上げる「Xジェンダー」とは、2つ目のものさし「性自認」に関することです。私の性自認はわりと安定して「女性」です。ひろこさんは?

ひろこ:私は自分のことをあまり女性とも男性とも思っていないんだと思います。中性的でいたいという感覚で、Xジェンダーという言葉を初めて知ったときに、自分もこれなのかなぁと思ったことを覚えているよ。でも、30歳をすぎてから知った概念だったので、Xジェンダーに強くアイデンティティを持っているかというとそうでもなくて、Xジェンダーっぽいのかな、とそういう感じ。

こゆき:きっと見た目だけではわからないね。

ひろこ:そうだね。私は自分の見た目をかなり中性的だと思っているけど、こゆきちゃんに言わせたらそうでもないみたいだからね。

こゆき:私が今回Xジェンダーのお話をしたいと思ったのは、私にいただくメールやお手紙の中で、Xジェンダーの方からお悩みを打ち明けてもらうことがとても多いからなの。性同一性障害に関しては、新聞などのマスメディアでもきちんと取り上げられるようになったし、ドラマ「金八先生」の放送の影響も本当に大きいよね。杉山文野さんが『ダブルハッピネス』という本を8年前に出版されていたり、性同一性障害に関してはこの10年で多くの人に情報が届くようになったと思います。けれど、この世の中はまだまだ「男か? 女か?」という規範が強すぎて、それだけでは捉えきれない多様な性のあり方の人が苦しんでいるように思います。

ひろこ:Xジェンダーの人からは、まず自分のセクシュアリティが伝わりにくい、そして悩みも理解されにくい、という話をよく聞きます。

こゆき:Xジェンダーの人の中にもいろんな人がいます。
自分のことを男性とも女性とも思う、両性の人。
自分のことを男性とも女性とも思わない、無性別の人。
自分のことを男性と女性の中間だと思う、中性の人。
自分のことをあるときは男性と思ったり、あるときは女性と思ったりして揺れ動く人。
決めない人も迷っている人も、変わっていく人もいます。

そしてXジェンダーの人が、好きになるかならないか、好きになるとしたらどんな性のあり方の人を好きになるかということは、やっぱりその人に聞いてみないとわからないことなのです。
ここでとっても大切なことは、どんな性のあり方の人も、ありのままで、そのままでいいということです。

ひろこ:私もここ数年は全くお化粧をしない日々ですが、20代の頃は、化粧をするかしないか、友人の結婚式にどんな格好で参加するか、けっこう悩んでいました。

こゆき:「この世の中は男の人と女の人だけで、それが絶対だ!」という考え方のことを性別二元論といいます。今の社会はこの性別二元論に基づいて動いているわけだけど、そうするとすでに一緒に生きている多様な性のあり方の人が困ってしまったり、ときには悩んで苦しんでしまったりすることがあるよね。実際には多様な性のあり方の人がたくさんいるんだということを、セクシュアル・マイノリティ当事者の人も、そうでない人も理解することが大切だと思います。

Xジェンダーという言葉が一般的ではなかったから、自分の性をどう捉えたらいいかわからなかったという人も多くいると思います。(言葉ができると現象が現れる。これはとても興味深いことですね。)社会に元々ある考え方に無理矢理自分を合わせようとするのではなくて、自分自身をしっかりみつめて、緩やかにいろんな人とつながっていけるのがいいよね!

 

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先日TOKYO MXの朝の情報番組「モーニングCROSS」に、コメンテーターとして初出演させていただきました。番組終了後、早朝から応援に来てくれたひろこさんも一緒に。

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