第20回 男は、すべてホモ! トンデモ仮説と、ジョン・ヴァーリイのジェンダーSFの世界。

服を脱がせ体毛を焼く。先輩の男性器をくわえさせ、それを写真に撮るなどのいじめは、数年前でも校内では行われていた。(YAHOO! ニュース『防大生、イジメで同級生を刑事告訴 「いじめは修業」体毛に火、集団暴行、性的暴行…』より)

スゲェ。まるでホモ小説のあらすじか、ホモビデオの商品紹介のようだ。だが、これは事実である。ニュースなのである。8月12日に配信された「YAHOO! ニュース」の渦潮つば子さんは、「集団でお○んこ舐めさせられたりとかしたら死ねる」とのコメントを寄せてきた。彼女はやられる側に感情移入したようだが(←受け?)、僕が問題にしたいのは、くわえさせた側のメンタリティである。イジメなので、目的は相手を貶めたり辱めることだろう。その方法がチンコくわえさせることか? もっと他にもあるだろ(笑)。嫌がる相手にチンコをくわえさせようとすると、当然、歯を当てられて痛いとか、最悪の場合はチンコを噛み切られるとか、重大なリスクがある。その程度のリスクマネージメントが出来ないようでは、自衛隊幹部として失格である(笑)。いや、むしろ、彼はチンコをくわえさせたかっただけなのだ。男に! そう考えた方がしっくりくる。

このことから、僕はある仮定を導き出した。男はすべてホモである、というものだ。20世紀の、人間のセクシュアリティに関する言説で、もっともポピュラーで説得力を持っていたのがジョン・ヴァーリイである。代表作は『へびつかい座ホットライン』、短編集『残像』ほか。SF界では権威のあるネビュラ賞「とりかえばや物語」に終始していないところが魅力である。たとえば、レオがインポに陥り、そのことで男がいかに男であることの重圧をかけられているか気づくシーンは、なかなか感慨深い。また、同性の両親に育てられる子供の「性差の自己認識の危機」についてふたりが悩むシーンなど、ゲイ・ファーザーやレズビアン・マザーが増えつつある現在のわれわれにも十分に示唆的である。

ちょっと聞いてほしいんだけど。賛成ならそういってくれないかな。ぼくの目にはいつも男性と女性があった ── それがどういうものか、このふたつが体格以外の点でほんとに存在するのかどうかは知らないし、どのみちそれが重要だとも思わないんだが……そういう特質はべつべつのものだと思うようになった。あとになって、それはみんなの頭の中にあるシャム双生児のようなものだと思うようになった。しかし、このシャム双生児は、いつもおたがいに戦い、おたがいを切り離そうとしている。一方がもう一方をなぐり、傷つけ、監房のなかに押し込め、食べ物をやらずにおいたりする。そのくせ、いつもふたりはつながっていて、負けたほうが勝ったほうに勝利の代償を払わせる。
(『選択の自由』より)

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さて、日頃、チンコかホモの話しかつぶやかないというのに、僕のツイッターには3000人近くもフォロワーがいる。皆、物好きである(笑)。とはいえ、そこそこの数なので、思わぬ反響がある。つい先日も、防大のニュースを引用して、男はすべてホモ説(仮説)をつぶやいたところ、yamantakaaa氏という方から返信が来た。「きもいオカマはみんな嫌いやねんw だから黙っとけwww」とのこと。僕はオカマまる出し、女装バレバレで、それを商売にしていたりするぐらいなので、今さら露骨なバッシングに遭うことはない。悪意というのはそれで傷つきそうな人へ向けられるのであって、僕に対してこの程度の悪意なんてお門違いはなはだしい。この人、プロフィールに「馬鹿ッターを駆逐します。 ヘイト連呼リアン、ザパニーズ、在特会、カルトなど極端な人たちが嫌いです。当然、真言宗も嫌いw」と書かれていることから、どうやら僕も馬鹿ッター認定されたようである(笑)。迷惑な気もするし、ありがたいような気もする。礼儀だと思い、一応、「……だそうだ。でも、黙らないも〜〜〜ん(笑)。」と返信してみた。そうしたら、さらに「かわいいオカマちゃんはみんな好きだけどねw 残念www」との返信。これにはヘコんだ! 僕は、念のために言っておくが、キレイ系女装として売ってきたのである。確かに加齢と共に多少は衰えてはきたものの……まだまだ頑張れると日々、勇気を奮い起こして女装しているのである。それなのに、なんと残酷な!

そこで、僕は脳内変換。物語を書きかえることにした。きっと彼は、ホモなのだ。ホモを執拗にバッシングする男は、実は、同性愛傾向を内在しているというではないか。でもって、僕のことが好きなのだ。小学生が好きな相手にいたずらしちゃうみたいな感じ、かな♥(もはや、妄想) かくして、僕の幸せな勘違いの日々は続くのであった。

 

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ジョン・ヴァーリイ『へびつかい座ホットライン』(ハヤカワ文庫/1986年 発行/ISBN4-15-010647-9)
ジョン・ヴァーリイ『残像』(ハヤカワ文庫/1980年 発行) *『逆行の夏』収録

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ジョン・ヴァーリイ『ブルー・シャンペン』(ハヤカワ文庫/1994年 発行/ISBN4-15-011071-9) *『選択の自由』収録
ジョン・ヴァーリイ『バービーはなぜ殺される』(創元推理文庫/1987年 発行/ISBN4-488-67304-X) *『ピクニック・オン・ニアサイド』『ブラックホールとロリポップ』収録

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