第66回 フランス同性婚法、たった1年で廃止の危機に!?

 

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まきむらよ。

毎週月曜、こちらの連載「YouTubeスクリーンショット

“マルセイユの口づけ”。

ご覧の写真は、フランス同性婚法の歴史を語るに欠かせない、記念碑的な報道写真です。

2012年10月、フランス・マルセイユ、反同性婚デモの真っただ中。同性婚反対を叫ぶデモ参加者達の目の前で、写真の女性ふたりは堂々とキスをしてみせました。

のちのインタビューにふたりはこう答えています。

「私たちは友達同士だし、それに異性愛者なの。だけどただ、女同士がキスすることは難しいことじゃないって同性婚反対派に伝えたくてキスをしただけよ

(出典:Le Parisien

しかしながら、イスラム教徒の中にだって同性婚賛成の人や同性婚をした人はいるわけよね。「イスラム教=同性婚反対」という図式は、主張するにも批判するにもすこし単純すぎます。この報道がイスラム教徒嫌悪につながらないことを願いたいものです。

また、「個人が宗教心をもつことは尊重されるが、同様に他人も尊重するために押し付けは許されない」というのがフランスにおいての基本姿勢。宗教と政治の間に明確な線引きがされている社会ですから、議員が宗教を理由に法律に逆らい、人の結婚を否定することは違法行為になります。

よって同議員に対しては、議員資格停止などの処分が下される可能性があるとのことです。またふたりの結婚宣誓式は、あらためて別の担当者によって執り行われます。

それから、こちらはつい昨日のこと。
フランス同性婚法制化前から続く反同性婚デモが、法制化1年後の今、また行われています。

★「戦え、レジスタンスよ!」反同性婚デモ・セカンドシーズン

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画像:ハフィントンポストフランス版

もちろんデモは法的に認められた正当行為ですが、興奮して物を壊したり暴動を起こしたりするのは勘弁してほしいものよね。反同性婚デモ隊が芝生を荒らしたと聞いて、後日こんなプラカードで行進していたレズビアンもいました。

「私たちレズビアンは、芝生をとっても愛してます☆」

(※芝生……フランス語で「女性の陰部」を意味する隠語)

それにしても、こうして反同性婚デモが盛り上がっているのは、やはりサルコジ前大統領が「同性婚反対」を口にした効果も大きいと思うのよね。最後にご紹介します。

★ “ラスボス”サルコジ前大統領に、カーラ・ブルーニ夫人がクールなツッコミ

「フランス政府は家族をおとしめ、そして家族を愛する人々をおとしめたのだ」

(出典:ロイター

次回の大統領選をにらんだサルコジ前大統領には、同性婚法を批判し、「私なら失業対策を先にする」などといった発言を行うことで、同性婚を法制化したオランド現大統領に反感を持つ有権者の票を集める狙いがあるとみられます。

そんなサルコジ前大統領、妻である元モデルのカーラ・ブルーニ氏に、雑誌「Vogue」で以下のようなクールなツッコミを入れられてしまいました。

「うちの夫(※サルコジ前大統領)は人間のことを、ひとりひとり違う個人としてではなく、ひと群れとしてしか見ていないんでしょう」

人間を「有権者」とか「同性愛者」とかいったひと群れとしてしか見られないせいで、同性結婚をした人たちそれぞれの事情を考えられないのだろう――といった意味でしょうか。

今回のサルコジ前大統領の政界復帰、調査会社による統計では、「フランス人の64%が『興味がない』と答えている」とのことです。政治家としてひとりひとりの心に訴えるには、どういう姿勢が必要なのかあらためて考えさせられますね。

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ツイッターなどでお伝えしてまいりたいと思います。

ということで、読んでくださってありがとうございました! また来週月曜日にね。まきむぅでした◎

 

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