第78回 日米の同性婚事情と「どこでもカミングアウト」

ひろこ:最近、こんなニュースがありました。

「米最高裁、同性婚めぐる上告棄却 新たに11州で解禁へ」(AFP=時事)

こゆき:この決定で、アメリカでは同性婚できる州が、今後30州になる見込みだそう。ついに30州! すごい!

ひろこ:昨年「婚姻を男女間に限る『結婚防衛法』が違憲である」という判断がなされてからの変化は大きいよね。今後日本も確実に影響を受けると思います。

こゆき:実際、新聞などで同性婚が取り上げられることもずいぶん増えてきたよね。

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こちらは全国紙に掲載されました。この影響力は大きい!新聞という既存のマスメディアが扱うのは非常に重要。同性婚の賛否には世代によって差があるのだけど、インターネット以外で情報を得る人たちにも考えてほしいものね!

ひろこ:ところでこゆきちゃんは最近、いつでもどこでもカミングアウトするようになったね?

こゆき:そうなの。先月のハワイ滞在の前後からかな。だって生活上不便なんだもん!例えば空港のカウンターでマイルが合算できないか聞いてみたり(*婚姻していないとできませんでした)、家事代行サービスの人にもアウトしてる。一緒に暮らす姉妹にしては生活が一緒になりすぎで、仲良すぎでしょ(笑)つい最近はネイルサロンでもアウトしたよ。仕事の話になったから。「本読みます。モーニングクロス見ます!」って言ってくれました(笑)

私は日本国内なら「私は同性のパートナーと結婚しています」って、言います。基本的には身の危険がないから。特にお客さんとしてサービスを受ける場合は嫌な目に遭うことはほとんどありません。「お客さんの中には同性と生きる人もいる」という当たり前の事実を知ってほしいな。

ひろこ:そうだね。でも、カミングアウトする人はまだまだ少ないよね。

こゆき:私もみんながカミングアウトすればいいとは思っていないの。もともと家族に問題を抱えていたり、人にはいろんな事情があるからね。とくに職場でのカミングアウトは慎重にならざるを得ない。残念なことではあるけれど…。

ひろこ:職場でのカミングアウトは、メリットとデメリットを天秤にかけて、メリットの方が少しでも大きいと思えた瞬間から初めて、カミングアウトするのもいいのかも?と思えたりするものだよね。もちろん一概には言えないけど。

こゆき:私も日常的にセクハラがあるような場合は絶対にカミングアウトしないと思いますね。

ひろこ:職場は本来仕事をする場所なのに、セクシュアリティのことでつねに悩みを抱えていなければいけないのは、相当つらいこと。

こゆき:そうだよね。それから職場でのこととは別に、「大切な人に本当の自分をわかってもらいたい」という気持ちは大切にしてほしいと思っています。そういう場合は上述の例とは違っていて、時間がかかったりするかもしれないけど、あきらめないで対話を持ってほしい。心をこめて真剣に話すことは、本当に大切な人にはきっと伝わると思うから。

家族へのカミングアウトで本当に辛いのはね、「自分の家族が実は信用に足る人物ではなかったことを認めること」だ、と最近本を読んでいて気がついたんだ。例えば、子どもを愛する力のある親ばかりではないことは、理解できているはずなのに、自分の親だけは違うと思いたいもの。セクシュアリティをカミングアウトするときには、その事実を突きつけられる場合もあるからね…。

安冨先生の『生きる技法』はカミングアウトに悩む方にもおすすめなので、ぜひお読みください!

ひろこ:カミングアウトは点ではなくて、線だと思う。人間関係ってそうだよね。たとえ今すぐにはうまくいかないとしても、あきらめないでほしいと思います。

こゆき:話してみたらあっけないくらいに理解してくれた!という場合もあるから、カミングアウトを過度には恐れないでほしいな。早く「カミングアウト」という言葉自体が必要なくなったらいいね。

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