#5 親になるワークショップ(Part 3)

こんにちは、みっつんです。さて今週は休憩を挟んだ先々週に続き、親になるワークショップ『Baby Steps Workshop for LGBT+』のセッション2をご紹介したいとおもいます。1回目のワークショップの様子は、バックナンバーをご覧ください。登場人物は、前回同様、主催の団体『PACE』(ペイス)で働くカウンセラーのリンダ、参加者のリンジー、マリオ、そして夫のリカと僕の5人に加え、前回は参加してなかったリーが登場します。

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着いてドアを開けたすぐそこにいたのは、よく一緒に遊ぶ友達のリー、僕がこのワークショップの情報を友達からもらったとき、リーとその彼氏・ブラッドも子どもを持つことを考えているのを知っていたので、彼にもそのメールを転送しておいたのです。ブラッドは今日は来られないのは残念だったけど、少しでも自分の考えていることを共有できる仲間がいるのは、何よりほっとします。

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さあ、セッションが始まります。まずは前回のトピック、親になるためのオプション・方法や、そのプロセスなんかをさらっとおさらいして、今日話すテーマは、

●LGBT+ペアレンツにとって必要、もしくは期待するサポートとは?
●子どもを持つプロセスの段階での、不安や心配ごととは?
●アクションプラン

といったところでした。リンダがまず僕らに聞くのは、今あなたにとって必要なサポートといえば何が考えられるか、ということでした。まずは自分で思いつくことを声に出すという作業。5人の参加者のうち、2つのグループに別れ、それぞれの考えを出し合います。その後、また全員集まったところで、それをひとりずつ発表していきます。

僕のグループで話題にあがったのが、家族・親戚でした。もし彼らが近くにいたら、実際に子育てを手伝ってもらえるかもしれません。そしてメンタル的に、家庭・家族という安心で安全な場所で子育てをするというのは、子どもの健康にも良い、なんて話もします。ただ家族の問題というのは、各家庭によっても状況が全く違います。うちの場合、リカの家族が協力的ということもあって、子どもが産まれてから1年弱は産休や育児休暇を使い、スウェーデンの実家で彼の家族と一緒に過ごすことも視野に入れています。しかし、グループの中にはまだ家族にカムアウトをしていない人や、した後になかなか受け入れてもらえなかったという人もいます。同性婚や同性カップルに対する養子縁組などの法整備が整っているこの国でも、個人レベルで見ると、いまだ差があるのも現実です。しかし、だからこそ法整備を進めることが人々の意識をさらに高めることに繋がるんじゃないか、と考えさせられます。

産休や育児休暇という話題が出たとこで、話題の中心は職場からのサポートに移っていきます。ここイギリスでは、産休や育児休暇に関しての法律が今年も順次変わってきていますが、LGBT+ペアレンツも産休や育児休暇をとることが法律によってストレートの人と同様に保障されていて、それを守らなければその会社は罰せられることになります。リンダが説明してくれたところによると、その期間や休んでいる間の手当などは、実際に妊娠しているのか、養子なのか、サロガシーなのかによって、細かく分かれているそうなので、詳しくはこちらをごらんください。またそれらは法定の基準であるだけで、職場によっては休業中の給料が何%支払われるかなど、それぞれのケースによって違うものなので、まずは自分の会社の人事に聞く事が大事だということです。

うちのリカの勤めている会社では、もともとLGBT+へのサポートが強く、まだLGBT+ペアレンツの話はまだ聞いた事はないけれど、リカによると協力的にやってくれそうだ、とのこと。リーやリンジーの会社も同様のようでした。しかしいくらLGBT+に対しての理解が増えているここロンドンと言えども、全ての職場でそれが歓迎されているとは言い切れないようです。マリオは大学職員として教壇に立っているのですが、LGBT+に対してのサポートは弱く、雇用者としての立場が弱いそうです。確かに教育の現場にいると職場でのカムアウトがしづらいということを聞いた事があります。ただ、コンプライアンス(法令遵守)の観点からいっても、子どもを育てるにあたって、ジェンダーや性的指向によっての差別は認められません。このことからも人事と掛け合う手だてはあるとリンダは言います。職場によっての理解の差はあるにせよ、法律で保障されているということがいかに自分たちの生活に影響してくるかというのを、ここでもまた実感しました。

コミュニティ・地域というのも、大切なサポートの一つだとリンダは話します。近所づきあいというのは、住んでいるエリアで、どんな保育園・幼稚園があるか、行政からどんな福祉が受けられるかといった情報を得られるだけでなく、子どもが友達をつくりコミュニティを作っていく上でとても大切になってきます。それを聞いて話題に上がったのが、ロンドンの多文化主義(マルチカルチュァリズム)についてです。現在のロンドンは300の言語が使われていると言われるように、多数のイギリス以外の出身の人が多数暮らしています。それゆえ、それぞれの価値観、宗教、文化、街の雰囲気がとてもバラエティに富んでいて、お互いの違いを認め合っている素敵な場所、と言われたりもします。しかし、人間のすること、そう簡単にはいきません。宗教や価値観が違うということは、お互いぶつかることもあるし、アンチ・ゲイの人もいるわけです。それは実際に、身の危険に繋がる可能性があるわけで、自分たちは自分たちで身を守る術がまだあるにしても、子どもにその思いはさせられません。どのエリアに住むかというのはリカと僕の間では、よく話題に上がります。

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Know your rights – 自分の権利を知ろう

そんな流れで話が進んでいき、リンダは他には考えられるサポートはないかと更に聞いてきます。僕らみんな割と出し尽くした感があったのですが、リーがぽつりとこんなことを言います。

「サポートかどうかはわからないけど、既に親となっているLGBT+の人の話を聞きたい」

いや、ごもっとも、といった感じです。そこでリンダが話します、既に経験している人の話を聞くのはもちろんのこと、同じステージに立っている仲間たち、同じような段階を踏んでいる仲間たちとの横のつながりが力強いサポートになるんだ、と。僕がこのワークショップに参加したいと思った理由のひとつもそれでした。いろんなことを共有できる仲間が欲しい。改めてそれを思い出させてくれるトピックでした。ここ『PACE』では、2 day Workshopというのも年に数回行っていて、二日間で心理学や脳科学なども含め、もっと詳しい勉強ができるのと同時に、実際既に親になったLGBT+の方たちの話も聞いたりできるそうです。次回は1月の予定だそうで、ぜひ参加したいと思っています。

さて、今日はここまで。来週はひきつづきワークショップの完結編、2週目の後半戦をおとどけします。お楽しみに。

 

ー黄赤系アプリで使える英会話ー

Points!
*terrible memory = おそろしい(ほど悪い)記憶力
*Apologies は、Sorry for~ よりちょっと丁寧な印象。
*unreasonably = 不合理な、とか、理不尽なという意味だけど、ここでは、相手を褒めちぎるために使われたようです。
*smooth tongue = 滑らかな舌 = お世辞ばっか言って〜って感じでちょっと否定的な返し。
*put a smile on a face = 笑顔を顔にのせる = 笑顔にさせる。

 

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