第68回 【読者アンケート】同性婚したい理由、したくない理由

“健やかなるときも 病めるときも
喜びのときも 悲しみのときも
富めるときも 貧しいときも
これを愛し これを敬い これを慰め これを助け
その命ある限り、真心を尽くすことを誓いますか?”

-教会での結婚式の誓いの言葉

……心では誓い合えても、法律では誓い合えないのよね、まだ。

まきむらよ。

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毎週月曜、こちらの連載「まきむぅの虹色ニュースサテライト」をお送りしております。

今回のテーマは、

【読者アンケート】同性婚したい理由、したくない理由

です。

2CHOPO読者のみなさまに、性別・セクシュアリティ問わず、同性婚したい理由・したくない理由についてアンケートを実施。その結果66の有効回答と、おひとりおひとりが「結婚」というものに抱える想いをお寄せいただくことができました。

結婚という制度を利用する・しない、また相手がいる・いないとか欲しい・欲しくないにかかわらず、「結婚制度の利用が戸籍上の男女間に限られている」という現代日本の状況に、みなさんが何を思っているのか。今回の記事にて、

★ グラフで見る結果発表! 同性婚したい理由
★ 同性婚したくない理由
★ 一挙掲載! 読者のみなさんの声

以上の流れでご紹介いたします!

★ グラフで見る結果発表! 同性婚したい理由
今回のアンケートは選択式アンケート+自由回答欄で、3つまでは複数選択OK。ですので、有効回答をくださった回答者の方の数と、回答全体の件数は同じにはなりません

ということでまずは、「同性婚したい理由」についてご紹介していきます!

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一緒に暮らしていきたいから:39
事故などの緊急時、法的にも家族として対応したいから:33
税制上の優遇や各種手当など、経済的に楽になるから:10
お墓など老後のことに備えたいから:9
カップル双方で子どもの親権を持ちたいから:7
共同の住宅ローンが組めるなど、住宅事情がよくなるから:7
周囲の理解を得やすくなるから:7
結婚それ自体にあこがれがあるから:5

【その他の自由回答】
・一生涯のパートナーとしての権利
・パートナーとしての証が欲しいから
・その人と一生歩んでいくという、一つの決心の表れになると思うから
・相手のことが好きだから
・愛の証を示したい

……以上、一番多かった回答は「一緒に暮らしたいから」というシンプルなものでした。まぁ、多けりゃ正しいみたいな話をしているわけじゃないんだけどね。

それにしても、前回記事の「結婚する理由ランキング~異性婚編~」と見比べてもやっぱり同じく「一緒に暮らしたい」が上位よね。

戸籍上の異性婚・同性婚にかかわらず、結婚の前にある「一緒に暮らしたい」って気持ちは同じみたいです。

とか言うと「同棲でよくね? なんで結婚にこだわるの?」みたいな流れになりそうだけど、確かに「結婚という制度」それ自体にこだわる理由って、実は思い入れくらいしかないのかもしれないわね。同性・異性問わず。

ただ2位以下の回答に続くような、「事故などの緊急時のこと」「経済事情」「住宅事情」「老後」「子育てする場合の親権」……といった、一緒に暮らす上で起こる色々を二人一緒に家族として乗り越える総合的契約っていうのはやっぱり現状「結婚」になるんでしょうね。

さて、このお便利パッケージ「結婚」よりも限定的な効果しか持ちませんが、緊急時に法的にも家族として対応するためには公正証書を作っておくことが有効になる場合があります。これについては永易至文さんのご著書や、2CHOPOでの連載「老後の新聞~こちら東中野さくら行政書士事務所~」に詳しいので、よかったら併せてご覧下さいね。

続いては、「同性婚したくない理由」です。繰り返しますが、同性婚自体に反対ということではなく、自分が同性婚したくない理由、という視点からお答えいただきました。ご紹介します!

★ 同性婚したくない理由

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結婚にあたり、家族や周囲の理解を得られないと思うから:11
結婚制度に反対だから:8
結婚後、周囲の偏見にさらされたくないから:6
結婚しなくても現状に満足だから:6
家族や周囲の人まで偏見にさらされないかと心配だから:5
今の自由さを失いたくないから:4
経済的に余裕がないから:1
性自認に沿わず「夫/妻」などと呼ばれるのがいやだから:1

【その他の自由回答】
・自分は異性愛者で、異性と結婚したいから
・自分の親が人様に強烈な迷惑をかける存在なので、結婚するとパートナーやその家族に累が及ぶから!
・興味が無いから(ひょっとすると、結婚=異性のもの=自分とは縁のないもの、と子供の頃から決め付けていたせいかもしれません)

……なんと、計算してみると「無理解と偏見を恐れて結婚しない」という回答で50%以上を占めてしまうことになります。ご回答42件中、「結婚にあたり、周囲の理解を得られない」「偏見にさらされたくない」「家族や周囲の人まで偏見にさらされないか心配だ」の合計が22件だからね。

異性婚する人の中にも、いわば「独身者への無理解と偏見を恐れて結婚する」人たちがいるわけで、もうこのつまらん同調圧力ほんと誰も得しないわねって感じです。ぺっぺっ。

それから、「結婚しない理由~異性婚編~」と見比べて興味深いのは、「経済的に余裕がないから」という回答の位置よね。

異性婚の場合、男性が結婚しない理由として「経済的に余裕がない」が47.6%でぶっちぎりの1位なわけです。でもよく見てみると、逆に、結婚する理由として「経済的に楽になるから」を挙げる人も、性別・セクシュアリティ問わずいるのよね。

さて、この差はなんなのか? 共稼ぎを前提に考えるなら、結婚はむしろ経済的利点が大きいはず。
もちろん共稼ぎをしない自由だってありますけれどね。

ただやっぱり、異性婚女性や同性婚と比べ、「経済的理由で結婚しない」と答える人が異性婚男性だけ突出して多いというのは、日本社会の男性に対する「結婚して妻子を養ってこそ男として一人前」プレッシャーを感じる結果です。

結婚もおカネも、元々人間がお便利に使うための道具だったはず。ただそれがいつしか「人間を測るための道具」になってしまい、気付いたら道具に人間が使われている……そんな逆転現象が起こっているのが現代日本なのではないかしら。

ということで最後に、今の日本の結婚制度について、みなさんの多彩な声を一挙にご紹介して終わりたいと思います。基本的に原文のままですが、記事へのご感想や個人情報など省略させていただいた部分は(…)となっています。また、タイトルと太字強調は筆者によるものです。

いくわよ!

★ 一挙掲載! 読者のみなさんの声

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……ということで、本当に多彩なご意見をお寄せいただきました。掲載しきれなかったものも、すべてしっかり拝読しております。ありがとうございます!

前回記事でご紹介したとおり、「若者の結婚離れはなぜ起こっているのか?」なんて調査が男女別異性婚前提で行われていることにも象徴的ですが、現代日本では「結婚制度それ自体についてあまり考えずに結婚結婚って騒いでいる」ような状況が見受けられると思います。

だけれど……

日本の民法で一夫一婦制が定められたのは、1898年(116年前)。
アメリカで異人種間結婚が完全に合法化されたのは、1967年(47年前)。
オランダで人類史上初めて同性婚が法制化されたのは、2001年(13年前)。

今で言う「結婚」って意外に歴史が浅いし、その上常にバージョンアップし続けているものなのよね。考えることをやめた瞬間から、続いてきた歩みは止まってしまう。「伝統だから」と思考停止せずに、むしろ伝統だからこそ、ちゃんとひとりひとりの頭で大切に考えていきたいものですね。

ということで、今回も読んで下さってありがとうございました! 今週末からガンガンいろんなイベントに出演します。ご一緒する出演者さんお話するテーマもさまざまなので、ぜひ出演イベント一覧をチェックして会いに来てね!

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