#6 親になるワークショップ(Part 4)

こんにちは、みっつんです。ここ最近ロンドンは雨が続いています。そんな雨に濡れるロンドンの街中にぴったりな白黒のこのポスター、U2の最新アルバム “Song of Innocence” のカバー写真です。

942_3

ドラムのラリー・マレン・ジュニアが18歳の息子を抱えている写真で、今回のアルバムの暗喩としてぴったりだということで使われたそうなんですが、いや、まぁ、最近のトレンドなのでしょか、ゲイマーケットを狙ってるのだろうかという仕上がり。かくいう僕もご多分に漏れず、この広告が貼られたバスが通れば自然に目を奪われるという有様。んま、街中にこういう広告があふれてきてるってのも、いい傾向ですよね。

さて今回は『親になるワークショップ』の最終回をお届けしたいとおもいます。登場人物は、前回同様、主催の団体『PACE』(ペイス)で働くカウンセラーのリンダ、参加者のリンジー、マリオ、リー、そして夫のリカと僕の6人です。

さて、ワークショップも残り1時間半くらいになったところで、子どもを持つ上での心配事を出していこうということになりました。まずは全員が一枚の紙にひとつの心配事を書いて、それをリンダがまとめ、みんなで語り合っていきます。ちょっと匿名感があることで、恥ずかしがらずに書いてみよう、聞いてみようということなんでしょうか。子どもの出自を知る権利についてだったり子どもの性的指向について、子どもが自信をもてなくなるんじゃないかとか、もし子どももゲイだったらなど、たくさんあったのですが全部は紹介できないので、いくつか主だったものだけ紹介します。

まずは学校の問題について。どうやって学校を選んだらいいか、LGBT+の子どもとしていじめにあったりしないか、というようなもの。リンダが答えるには、学校によってはルールとして、ジェンダーによる差別やいじめを明確にノーと表明しているところがあるので、それをひとつに目安とするのがいいかもしれないとのこと。どこに住むかという地域の問題も絡んできますが、イギリスの中でも、ロンドンをはじめ、ブライトンやコーンウォールなどは、わりとLGBT+の親が多い地域だということ。確かに知り合いの方のお母さんで、コーンウォールで教師をやってる方の話だと、一学年に一人は親がLGBT+の子どもがいるという話を聞いたことがあります。そして学校についてはもうひとつ、リンダからのアドバイス。

「いろいろ調べて、入ってみて、それでも気に入らなかったら変えちゃえばいいのよ。」

とあっさり。自分が子どもの頃、地元の公立の小中学校に行くのがあったりまえで、選択の余地なんてまったくないと思っていた僕としては、目から鱗だったのです。さらにリンダが付け加えるには、そういう時こそ他のLGBT+の親とコネクションをつくっておくのが、大事になってくるとのこと。確かに、「この学校、LGBTに優しいかしら?」と、いくらストレートの親御さんに聞いても、知らないのがあたりまえですもんね。

942_4

もうひとつ大きな心配事と言えば、子どもにどう説明するか、ということ。子どもが自分の自我に目覚め、自分の親が他の子の親と違うということに気づいた時に、どうやって説明するか。その質問には『僕らの子どもはマイノリティの中のマイノリティになってしまわないか』ということも含まれていました。リカと僕は、それについてはなぜかそんなに心配していないのですが、それが心配になるのはよくわかります。それについて考えてないわけではないのですが。

リンダはこう言います。

「最近出たニュースによると、LGBTペアレンツの方がストレートの親よりも良い親になる割合が高いという研究結果が出てる。」

その話を聞いてみんなで話すのは、きっとそれは、ストレートだったら当たり前と思ってあえてしない努力を、LGBT+だと一生懸命考えたり、思いやったりする過程で培われていくんじゃないかということ。簡単に、勝手に子どもができるということがないゆえに、だからこそ、子どもを持つという事に対し、本当に真剣に取り組み、責任感を養う過程がストレートとはすこーし違うかもしれないこと。それはもちろんストレートの方がいいとかゲイの方がいいとかじゃないし、子どもの幸せを願うというところは、とどのつまりどちらも一緒なんじゃないかということ。

その話をしていて思い出したのが、僕らがまだ子どもを持つことを決める前の事。友達で2児の母の女性に子どもは持たないの?と聞かれ、「持ちたいとは思うけど、自分自信がまだガキだしゲイだし、親になるなんて自分がストレートだったとしてもまだ自信ないよ」って答えたら、「親になるのは子どもが産まれてからよ、子どもと一緒に親もいろんな練習して成長していくのよ。それはゲイでもストレートでも一緒じゃない?」とわりとあっけらかんと言われた事がありました。

もし自分が今も日本に住んでいたら、そんな言葉もすんなり入ってこなかったかもしれません。でもこのワークショップを通して、感じていたのは、その彼女に言われた言葉でした。実は僕らがいろいろ心配しているのは、ストレートの人も親になる時に心配することとほぼ違わないんじゃないか、ということ。子どもがいじめられないか、愛情をもって自分たちが育てていけるか、どうやって学校を選ぼうか、子どもの将来はどうだろう、経済的にやっていけるだろうか、自分たちの今の生活が変わっちゃうだろうか。。。

ワークショップが終わるころには、心配が何一つなくなった! ということにはならないんだけど、心配が残っていても、それはそれで良いんだと思えるようになっていたし、これからそれに対してどうやって取り組んでいくかということのほうが重要なんだな、と気づかされました。そして帰り道、これからも連絡をとりあっていこうと、みんなでメアドを交換しあってカレドニアン・ロードの駅から帰路につくのでありました。

942_2
アダプション(養子)についての説明会の広告、地下鉄の駅にて。

僕らはこのワークショップに参加する前から、もう子どもを持つ事を決めてはいたのですが、他の人の意見、オプション、考えていなかったことを気づかせてくれる、とても有意義な時間でした。今回このワークショップについて日本のみなさんに「こんなワークショップがあるんだよ!」と伝えたい強い気持ちがありましたが、子どもを持つことやそのプロセスをネット上でさらけ出すリスクについて、正直心配もありました。でも、やっぱり、自分が見て、聞いて、良かったと感じる事ができたものは、たくさんの人と共有したいって思いの方が強くって、今回書かせていただきました。日本じゃまだまだ無理だよと思う方もいるかもしれません、でも、だからこそ、こういう話をもっともっとオープンにしていきたいと思っています。。。

ということで、最後に宣伝です!笑 Twitter(@mittsunLondon)も始めちゃいました! これから、日々の生活、こどものことも、なにかあったらつぶやいていきたいと思います。よかったら、フォローしてやってください!

では、また来週!

 

ー黄赤系アプリで使える英会話ー

942_1

Points!
*What brought you on here? = 何があなたをここへ運んだの?・・・つまり、なぜあなたはここにいるの?・・・そして、こういうアプリだと「何目的なの?」と意訳できます。ちなみにこのフレーズ応用が効いて、実際の英会話でも「What brought you to Tokyo?」とかにすると、「どうして東京に来たの?」となり、「Why are you here?」よりちょっとオブラートに包んだ丁寧な感じになります。
*killing time = 時間を殺す = 暇をつぶす
*occasionally = ごくたまに、sometimesよりももっと少ない頻度な感じ。
*語尾にthoughをつけると、前にいったことをごく軽—く否定する感じになります。”But”より頻度は高い感じです。
*reasonable = リーズナブルと読みますが、”安い”って意味じゃありません。reason(理由) + able(可能である) で、理由が可能である・・・理由になりうる・・・理にかなっているといった感じになり、”Sounds reasonable” となると、理解できるように聞こえる・・・その感じわかるよーといったふうになるのです。(僕の経験上ね。笑。)

 

Top