第3話 伝道師の原点はライフセービング

 Comment  連載   米田豊土のLife Style Academy              

お元気ですか?ダイエット伝道師の米田です。だんだん寒くなってきましたね。外は寒くなっていますが、私の心はいつでもアツいですw
今、取り組んでいる仕事の全てのテーマは【人の役に立つ事】です。このマインドの原点がライフセービングとの出会いでした。今日は原点であるライフセービングについてお話をしていこうと思います。

前回の記事でライフセーバーを始めたきっかけのお話をしました。まぁ自慢できるようなものではありませんでしたね…モテたいとか、出会いとか…そんなナンパな感じで始めたライフセーバーも、やっていくにつれてその本質に触れ徐々に心の中が変化していきました。「この仕事本当にかっこいい!」「一生できたらいいのに」と気づいた時は、頭の中はライフセービングの事でいっぱいになっていました。ちなみに、ライフセーバーの本当の仕事ってご存知ですか?多くの人は少しだけ誤解をしています。私もその一人ではありましたが…

多くの答えは→

溺れている人を救助する!

これはこれで間違ってはいないのですが、最重要任務ではないのです。私たちライフセーバーにとっての最重要任務は、

【事故を未然に防ぐ】

ということなのです。「いかに事故を起こさないか」に全神経を集中します。事故になりそうなことを一つ一つ、潰していきます。子供が一人で歩いていれば声をかけ、危険な流れの近くで遊んでいれば安全な場所を教えてあげる、といった感じでイメージと違って実はとても地道なんです。

『一人も救助した事がない!』
最も優れたライフセーバーだけがいうことのできる一言です。この言葉は事故防止に全力を尽くし事故を起こしていないことを意味します。これを実現するために、海水浴場やプールサイドに立ちます。

ライフセーバーとして本格的にプロ意識を持つようになったのは、ライフセーバーを始めて5年目の夏の遊泳区域外での事故でした。この事故は私の頭から離れることはありません…他人の命に触れた瞬間でもありました。

『沖で人が!人が溺れてる!!』
朝のトレーニングや準備を終え、海水浴場をオープンしたわずか数分後のことでした。一人のサーファーが私たちのところへ声を張り上げ、激しく息を切らしながら走ってきたのです。

その日は台風の影響で朝から波がかなり高くなっていました。慌てて通報しに来たサーファーの指差す方を双眼鏡で覗くと、大きな波の波間に漂う人影が確認出来ました。そこは海水浴場から横に300m、沖合いに100m位離れたところでしょうか。
「波待ちをしていたら人の声がして、そっちを見たら、溺れてる人が見えた。波も大きく初心者を卒業したての自分にはどうする事も出来無いからライフセーバーを呼びに来た」と、彼は声を震わせながら話してます。

当時遊泳区域を担当していたライフセーバーは8人でした。遊泳者はいませんでしたが、念のため3人だけライフセーバーを残し、他のメンバーには救助へと向かいました。

ライフセーバーの一人が海に飛び込み、溺れている人(以下溺者)の所へと泳いでいきます。私の指揮統括の下、一人は一瞬たりとも目を離すことなく救助へ向かったライフセーバーと溺者の両方を目視し、一人は手旗を使って救助へ向かったライフセーバーに溺者の場所を指示します。

そしてライフセーバーが溺者を確保し、陸の方へと向かい始めました。「とにかく無事であって欲しい」と陸から援護した私たちは願いました。

「意識なし!」陸に辿り着いたライフセーバーから発せられた一言でした。すぐに待機していたライフセーバーによる心肺蘇生が開始されました。しばらくすると救急車も到着し、救急隊に引き継がれました。祈り虚しく、溺者が息を吹き返すことはありませんでした。この時の彼は、25歳の私と同い年でした。

通報に来てくれたサーファーの方は、「私が連れて帰ってくることができれば…」と自分を責めていましたが、そんなことは決してないわけです。救助の技術がない彼が大波で救助をしようとしても、二人して溺れてしまう危険性もあったかもしれません。彼の咄嗟の判断は正しかった、と私は考えます。

事故は私たちの担当の遊泳区域からは少し離れた場所で起きたことであっただけに、当時、何をすれば良かったのか、どうすれば救うことが出来たのか、と、本当に考えさせられました。
任された場所を徹底的に守る義務があるとはいえ、担当区域付近の場所での事故防止も念頭に入れなくてはいけないのではないだろうか、しかし、区域外での事故防止に力を注ぎ過ぎれば守るべき場所が手薄になるのはないだろうか、そんなことをライフセーバーのメンバーと何度も話し合ったものです。正しい答えなんか存在しないのかもしれませんが、この時の幾度にも渡る反省は今も心に刻まれています。

でもこの出来事を機に事故を未然に防ぐことの大切さ、そしてライフセーバーという仕事の重要性をはっきりと意識したのはいうまでもありません。現場に立つ時、命の話をする時、どんな時でもこの日の出来事を忘れることはありません。

今回のお話はいかがでしたか?私の根底にあるライフセービングスピリットを少しでも感じて頂けたらなと思います。私は生涯ライフセーバーとしてこれからも活動していきます。このスピリットは、ダイエットへ、健康へ、と角度を変えて活かされています。また土曜日にお会いしましょう。

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バラエティー番組撮影時の安全管理業務中にて

 2014/11/12 18:00    Comment  連載   米田豊土のLife Style Academy              
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