第11号 医療と介護、セクマイの周辺環境を改善!~「ボクの老後はどこにある?」③

この連載でもときどきご紹介している、特定非営利活動法人「パープル・ハンズ」。性的マイノリティーの老後を考え、お互いにつながりあうNPO法人です。月替わりで、老後に備える勉強会とカフェのほかに、電話相談なども承り中です(カフェの模様などが先日、読売新聞で紹介されました)。
私たちが生きやすい高齢期を過ごしていくためには、自助努力だけでなく、社会の周辺環境の改善が必要です。とくに医療や介護は、高齢期の必須アイテム。
ということで今号は、この秋~冬に開催するパープルの取り組みについてご紹介します。

 ●医療とセクマイをめぐるあれこれを、医師に直撃!

11月30日は、パープルの基幹イベントである、「ライフプランニング研究会」。今年は「高齢期にかかわってくるさまざまなセクターと繋がっていこう」をテーマに、あえて一般社会・ノンケさんのゲストをオファーしています。これまで介護ケアマネージャー、社会福祉協議会葬儀屋さんのお話をうかがってきましたが、今回は医療がテーマです。
国際医療研究センター エイズ治療・研究開発センターのお医者さんで、HIV診療の現場で日々、ゲイと接している、塚田訓久さんをお招きします。そういえば、12月1日は、世界エイズデーでしたね。

医療は人間の生老病死(しょうろうびょうし)すべての場面でかかわる領域です(生は生まれるの意味)。同時に、性的マイノリティにはなにかと課題が多いといわれている領域です。

 ・医療者に自分のセクシュアリティや性行動の話をしていいのか。
・ひとりで暮らしている場合、入院や手術の同意書はどうしたらいいのか。
・法律上まだ認められていない同性パートナーは、パートナーと面会ができたり医療説明が受けられるのか。
・見た目や書類上や自認の性がくい違う、身体に処置をしている……。
・身寄りのない人が病院で亡くなったあとはどうなるのか。

最近では、

 ・じつは薬物を使用しているのだが、検査でわかったりそのことを話したら、警察に通報されるのか。
・とても貧困でお金がないが、発病・入院したらどうなるのか。
・同性愛者でも子どもをもちたいのだが、日本の生殖医療の現状はどうなのか。

という疑問もあるかもしれません。
塚田先生にそうした疑問について、ざっくばらんに問いかけてみたいと思います。司会役が聞かなかったことは、後半の質疑応答で、フロアからも大いに質問してくださいね。
病気はだれでもがし、病院にはだれでもがかかるものですが、そこには訪れた患者それぞれの多様性があります。性的マイノリティも受けやすい医療について、みんなで考えていきませんか。

 と き:11月30日(日) 午後5~7時
ところ:コミュニティセンターakta
お 話:塚田訓久さん
(国際医療研究センター エイズ治療・研究開発センター医師)
性別・セクシュアリティ・年齢不問
参加費:500円(会員無料、会場で入会可) 予約等不要

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医療の現場でセクマイが排除されることも実際に起こっています。

 ●区内の介護事業者へ研修会を企画

医療に続いて、介護の場面への働きかけです。
このほどパープル・ハンズでは、「パルシステム東京(生協)」の「市民活動助成基金」公募 において「介護事業者への性的マイノリティおよびHIV陽性者にかんする研修の提供」が採択され、助成を受けることになりました。
以前なら(余儀なく)結婚していたセクマイも、現在は一生をシングルとして、あるいは同性のパートナーと一緒に暮らそうとする人が増えています。それは同時に、遠くない将来に、介護・療養の現場でも、性的マイノリティの存在が顕在化してくることを意味しています。
介護の現場からすると、

 ・なにかご事情を抱えているようだが、ハッキリとはおっしゃらない
・おひとり暮らしだが、「家族」ではない人(同性)が出入りしている、お世話している
・異性のヘルパーに抵抗がある(その逆の場合も)
・はじめからゲイだとおっしゃっているが、こちらもそれにどう対応していいかわからない
・HIVに感染していらっしゃる(HIV陽性のかたの多くはゲイ・バイ男性です)
・見た目と書類上の性別が違う……

やがて介護でも、こうした利用者さんに対応する場面が出てくるでしょう。
まずはパープルが事務所を置く中野区内の介護や看護の事業者へ、受け入れへの準備性を高めてもらうための、さまざまな情報提供を前後2回にわたって行ないます。

 ・性的マイノリティやHIV感染症についての基礎知識
・介護事業所等での受け入れ体制づくりや先行事例
・セクマイに多いと予想されるおひとりさまや、HIV陽性者に増加が予想される認知症への、成年後見の利用例など

まだまだレアなトピックで、10か所も参加申込みがあれば大成功かなと思っていますが、セクマイに対応可能な事業所を少しずつ開拓する機会にしたい。また、当日参加できなくても、地元に相談できる当事者団体もあることを認知してもらうのも、大きな前進だと思っています。

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まだまだ介護現場で認知が乏しいセクマイ問題。いまから少しずつ理解を広めていきましょう。

 ●LGBTヘルパーさんも介護者研修に参加しませんか?

ここでみなさんに呼びかけデス!
セクマイ業界って、介護・福祉関係にかかわっているかた、けっこう多いですよね(笑)。セクマイと介護についてヘルパーとして、ケアマネとして、現場で日ごろ見聞したり感じている「困ったなあ」「直したいなあ」を、よければぜひ私たちにお知らせください。当日の資料づくりの参考にさせていただきます。
また、研修会当日は、席にも若干余裕があります。ご参加になって、事業者との質疑に答えたり、集まったセクマイ系介護者のネットワーク作りのきっかけにしませんか?(研修会終了後、居酒屋での懇親会も予定しています。)
ぜひ、パープルへメール info@purple-hands.net でご連絡ください。

 と き:2014年12月12日(金)
午後7~9時
ところ:中野区内公共施設(ご連絡者にお知らせします)
内 容:性的マイノリティの基礎理解
講師:永易至文(パープル・ハンズ事務局長、ライター、行政書士)
HIV感染症の基礎理解
講師:北村 浩(パープル・ハンズ代表理事、医師)
質疑応答・経験交流
主 催:特定非営利活動法人パープル・ハンズ
後 援:中野区
中野区社会福祉協議会
助 成:パルシステム東京 市民活動助成基金

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【おまけコーナー】
今回も、上の本文でもお世話になった、おなじみキャミーちゃんのイラストで、東中野さくら行政書士事務所のご紹介4コマ漫画。第3話はミドル時期によくある「親の葬儀のそのあとは の巻」。行政書士事務所は、いろいろなお役立ち相談所です。法律や制度、お金にかんすることかなと思ったら、お気軽にお問合せください。初回のご相談は無料です。

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