第1話 マッチョ映画のミカタ

編集部より…月に50本もの作品を劇場やDVDで観ているという、ワハハ本舗主宰の喰始さんに喰さん目線で映画や、本など、各作品の感想を伺う新連載です。※ネタバレ注意

b6e4eb985ef4a712de5a35afb1872e84

今日はマッチョ映画を2本話しますね。

まず時代は変わったなって思ったのが、シルヴェスター・スタローンの『エクスペンタブルズ3』ね。普通に観れば、男の汗ムンムンのただのドンパチ映画。「もういいですよ!」っていうくらい何も残らないね(笑)

61KM+uREhaL._SL250_
だけどね、いきなりこの映画の最後の部分の話になるのだけれど、出演しているアーノルド・シュワルツネッガージェット・リーの二人がお互い好き同士!?キスをしたり、「えっ!?」みたいなシーンがあって「二人はデキてる?そんなアホな!エクスペンダブルズ1エクスペンダブルズ2でもそんな伏線がないのに??」って。
2人がジョークとしてやっているともとれるのだけど、それでも昔はさ、マッチョの人間は、本当はそうであっても余計に隠していたよね。映画の中でそれをジョークとして使うのでもスターは嫌がったからね、そんな風に思われたら嫌だって。それを最後の最後にそんな必要のないオチで、それをやっているっていうところですごく時代が変わったなって思ったね。

僕がやっている『ショービジネスの作り方』っていうお笑いライブのオーディションがあるのだけど、とあるお笑い芸人が一人コントという形で、サラリーマンが実は部下(男)の事が好きで、告白するみたいな感じのネタで、それがシリアスの方向に向いていくのか?お笑いの方向にいくのか?なんだけれども。お笑いの方向だと、

「ゲイのサラリーマンがそれを隠していて、部下に告白する事によって笑いをとる」

って、そんなの一体いつの時代?という風なネタ作りをしてくる人もいるのね。
実は情報というのが偏っていて、例えば小中高の、いつでもいいのだけれど、子供の頃に同性愛の友達がいたりとか、先生がそうだったりとか、同性愛者に限らず障害を持った人達などと接して育ってきた場合はなんでもないのに、そういった人達と接しないで大人になった場合、カミングアウトすること自体がお笑いみたいな勘違いがあるんだよね。

保守的なアメリカでも『エクスペンタブルズ3』という映画の中でそんなシーンがあるということはゲイというだけではなく、そういうことに対する偏見や差別が無くなってきているのだなって驚いた。そういった見方でみるとこの映画は面白いね。

次に『ヘラクレス』という映画ですね。これは完全にネタバレになってしまいます。

ザ・ロック(ドウェイン・ジョンソン)というプロレスラーが主人公の映画で、この映画の劇場やテレビでやっていた予告編やコマーシャルでは、神と人間のあいだに生まれた半神半人の伝説の勇者のヘラクレスが、映画「タイタンの戦い」のように様々なモンスター達と死闘を繰り広げて、やっつけていくといったアクション満載な感じで宣伝をしていたんだよね。

僕はそういうファンタジーヒーロー物も好きだから期待して観に行ったのだけれども、なんとその期待していた部分は開始10分で終わっちゃったね(笑)最初だけで、全く違う話だったよ(笑)

それでその10分から先は『七人の侍』みたいな話なんだよね。伝説を利用している普通のヘラクレス(十分強いんですが)という、おやじがどうやってのし上がっていくか、そんな彼にも過去の部分があったりで、賞金稼ぎの仲間と共に頼まれた戦に参加していく、しかし実はそこには裏があってと・・・と言う話なのだけどね。散々、ファンタジーストーリー的に宣伝していた内容とは本編は全然違う話で、結果これがまた面白いことに国内で封切った時にはベスト10位には入っていたけれど、2週目には見るも無残に姿がない(笑)

でもこの宣伝のしかたって、上手くすればクチコミで広がっていくという効果もあるよね。今回の宣伝は、日本ではマイナスにでてしまったのだと思うのだけれど。「面白いから観てごらん」って色々な人に薦めたのだけれども、「面白くなかった」とか、「宣伝が嘘じゃない!」とか「最初の部分だけじゃない!」って言うんだよ。確かにファンタジーだけを期待して観に行ったら期待はずれなのかもしれないけれど、映画の見方を自分で発見できない人はみんなそういう風に言うんだよね。

映画としては、最近のヒーロー物のなかではよく出来ていたと思ったよ。

宣伝という意味で、今一番気になっているのは『インターステラー』(※11/22公開)というSF映画で、これも劇場の予告編やテレビのコマーシャルをみると、これは要するに地球の寿命が尽きかけて、人類が移住出来る星を探し求めていくというような話なのだけれど、予告編の最後にえっ!?というみたいなニュアンスで終わるのね。だからたどり着いた星が実は!?という風にもとれる宣伝をしているから、どういった結末になるかはわからないけれど、たどり着いたオチが『猿の惑星』や『プロメテウス』的なオチでは許さないぞ!って思うんだよね。(笑)仮にもし本当にそうだとしたら、そういう宣伝の中でネタバレのようなミステリーのオチを匂わせるのはやめて!って(笑)

映画はそういった宣伝の仕方や内容などの部分を気にしてから観ると更に面白いよね。この2本は劇場ではすでに公開が終わっているだろうから、DVDになったらそんな目線で観てください。

517weyvjokL._SL160_ 51PTYVNDkeL._SL160_ 51kesYh+B9L._SL160_
ミステリーのオチという流れでもう1本!遅ればせながらDVDでつい最近『永遠の0』を観たんですよ。僕もいままで観なかったのは、正直いってまた第二次大戦の戦争の美化や反戦映画ではあるけれど、男の生き様で戦争という運命に翻弄されながらも家族を思い、どうのこうのっていうお涙ちょうだいの映画が嫌だなって思っていたんだよね。でも、あれだけ話題になっていたし、周りの観た人達みんながいい映画だって言うから観てみたんですよ。

51bo4b0JtKL._SL250_
そうしたら、なんと『永遠の0』はミステリーだったんですね!だからミステリーだと思って観ると、「なるほど!」ってなります。ミステリーでこうやって組み立てているんだと、最後に判明するんだけれども、「まさかそういう風に展開するとは思わなかった!」という、その部分も見物ですよ。

戦争物だ云々を一度置いておいて観るとすごくわかるし、戦争を美化する映画でもなく、あの時代に戦争から逃げて女房子供の為にという主人公。

「そんな奴いるはずない!、でもそういう人間がいてほしい!」
時代はいつだろうと、そういう人間がいないと時代はダメになるといった非常に深い映画でしたね。右翼だ左翼だは抜きにして、是非この映画を観るといいですね。

次回は漫画と埋もれた名作映画の話をしますね。

 

浅草ワハハ本舗『娯楽座』 今月≪12月≫上演演目案内

7月にここ浅草で産声をあげた 『浅草ワハハ本舗 娯楽座』も、 上演100ステージを突破し、ますますパワーアップ! 12月はこの半年の総集編! 見たことある方も、ない方も この機会に是非是非ご覧くださいませ! 抱腹絶倒、阿鼻叫喚!これこそが娯楽座だー!!
78f81c987efe0ef46df55bd13b22352b
浅草ワハハ本舗『娯楽座』これが娯楽座だ!!踊る侍・歌う町娘・笑う花魁
構成・演出: 喰始
日程: 2014年12月2日~12月28日
会場: レストランシアター 浅草六区ゆめまち劇場
東京都台東区浅草1-25-15
TEL:03-5830-7456
料金: 全席指定 4500円(1ドリンク代別途必要)
http://wahahahompo.co.jp/asakusa_wahaha/infomation.html#koregaWAHAHA本舗PRESENTS 喰始のショービジネスの作り方 vol.71
構成・演出・司会: 喰始
日程: 2014年12月4日、12月5日 両日とも18:30 開場 19:00 開演
会場: 新宿プーク人形劇場
料金: 全席指定 2000円(前売り) ・ 2300円(当日)
http://wahahahompo.co.jp/stage/koen/tabehajime/show_biz/

 

Top