第88回 同性愛がテーマ! 日本初上演のロックミュージカル『bare』

 

今回は私、東小雪がひとりで担当します。ロックミュージカルbare』のご紹介です。
『bare』はオフブロードウェイで上演されて、今回日本初上陸となるロックミュージカル。中野ザ・ポケットで12月28日(日)まで絶賛公演中です。
私は先日、12月19日(金)に初日を拝見させていただき、ぜひ2CHOPO読者のみなさまにご紹介したいと強く思いました。このロックミュージカルの重要なテーマが同性愛なんですね。タイトルの「bare」は、「さらけ出す」という意味。
舞台はカトリックの戒律が厳しい寄宿学校。高校3年生の生徒たちは、両親との葛藤や恋の悩み、人と違う自分を受け入れられず孤独を抱えていたりします。そんな中で、主人公のピーターとジェイソンは、男性同士のカップルである自分たちの関係を誰にも言えず、苦しみ続けます。宗教的な壁、本当に大切な話には耳を傾けることができない母親。自分らしくプライドを持って生きようとしても「そんなのは綺麗事だ」と拒絶されてしまったり…。
今回は客席数が比較的少ない劇場で、舞台の間口も広くはありません。しかし洗練された舞台装置と照明を使って、さまざまなシーンが表現されていきます。軽快なテンポで観るものを惹き付ける演出が見事でした!全編歌で構成されているこの舞台。歌のレベルが本当に高い! ソロもコーラスもとても力強く、圧倒されっぱなしでした。出演者の皆さんが、熱い歌を聴かせてくれます。
典型的ないわゆる「オネエ」は登場せず、真っ正面から同性愛者、マイノリティ性を抱える若者の心の問題を扱っているところが、非常に重要なポイントだと思いました。舞台だからこそできた表現なのかもしれません。残念ながらメディアの中では、まだまだ「ゲイ」と「オネエ」は混同されがち。これまでLGBTについて考える機会がなかった人も、この作品を通して「人と違っている自分も、自分らしく生きていいこと」「どんな愛も変わらないこと」を肌で感じることができるはずです。

一緒に観劇したひろこさんは、琴線に触れたのか、隣で泣きっぱなしでした。

終演後には、

「自分を偽り続けていた昔のことを色々思い出したよ。レズビアンとしてのこれまでの経験を重ね合わせて、涙が止まらなかった」
と語っていました。
客席と舞台が一体となって、上質な時間が過ごせること間違いなし!です。ぜひ当事者の方にも劇場に足を運んでもらいたいと思える舞台でした。超おすすめ!
そしてこちらの舞台。なぜ私が観に行くことになったかというと、実は宝塚の同期が誘ってくれたのです! さまざまな思いを抱えて、わずか2年で退団してしまった宝塚。その後は同期とも疎遠になってしまっていました。
その理由の中には、私がカミングアウトできなかったことも含まれています。(もちろん本当にいろんなことがあったのでそれだけではないですし、複雑な事情が絡んでいますが…)それが数年後には、このミュージカルで私のことを思い出して、同期が観劇に誘ってくれたのです。まさかこんな日が来るとは! 本当に嬉しい出来事でした。
ロックミュージカル『bare』は、中野で12月28日(日)まで。千秋楽はすでに完売しているそうです。年の瀬で慌ただしい時期ではありますが、万難を排して観に行く価値が十分にある舞台です。よろしければ観に行ってみてくださいね!
オフブロードウェイ ミュージカル『bare』
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終演後、ピーター役の岡田亮輔さんと

 

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