第81回 LGBTQIAP…キリがない!多様な性を示す、「LGBT」以外の表現まとめ

 

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LGBTって言葉、書くと短いけど、言うと長いわよね。

まきむらよ。

毎週金曜、世界のニュースから性を考える時事コラム「まきむぅの虹色NEWSサテライト」をお送りしております。

今回のテーマは「LGBTQIAP…キリがない!多様な性を示す、『LGBT』以外の表現まとめ」です。
LGBTという言葉、今やNHKにも出るくらいメジャーになりましたね。

ですがこの言葉、

・「性的マイノリティはレズビアンとゲイとバイセクシュアルとトランスジェンダーの4種類よ」的な誤解を招く
・アメリカ社会で生まれた言葉を他の国でもそのまま使うと状況にフィットしない
・なんかNASAとかCIAとかの仲間っぽい
・わしはアルファベットにはうといんじゃ、日本語でおk

といった面があるのも事実。

ということで、「LGBT」に代わる表現が今日までいくつも生みだされてきました。別に「LGBTって言葉を使うな」って言うんじゃなくて、「他にもいろんな表現がありますよ」ってことで、ご紹介していきます!

なお、「インターセックス」「ポリアモリー」などといった各用語の説明は、誠実に書こうとすれば記事が長くなりまくるため、こちらの記事では控えます。すみませんが、各自でググって(検索して)ください。(古かったり間違ってたりする説明もあるので、複数記事を見比べるのがコツよ~)

では、さっそくいきますよ~!

ジャニーズみたいにメンバーの頭文字から命名、KAT-TUN系
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KAT-TUNがメンバーの頭文字を並べて「カトゥーン」と読ませているように、それぞれのセクシュアリティの頭文字を並べて一単語として読めるようにした表現リストです。

FABGLITTER(ファブグリッター)
F……フェティッシュ
A……アライ/ポリアモリー
B……バイセクシュアル
G……ゲイ
L……レズビアン
I……インターセックス
T……トランスジェンダー
T……トランスセクシュアル
E……エンジェンダリング(=生み出す)
R……レボリューション!!

2002年までアメリカで発行されていた、「エニシング・ザット・ムーブス~両性愛の神話を越えて~」というハリウッド超大作みたいな名前の雑誌が提唱した表現です。ファブグリッターは英単語のFabulous(ファビュラス/伝説的な、素敵にやらかした)とGlitter(グリッター/キラキラ)の組み合わせにもなっており、みんなまとめて「素敵にやらかしたキラキラ」よ! っていう裏のメッセージもこめられています。ちなみに最後のRはinter-racial attraction(人種を越えて惹かれる)の略でもあるそうで、色々欲張りにつめこんだ表現ね。

QUILTBAG(キルトバッグ)
Q……クィア/クェスチョニング
U……アンディサイデッド(Undecided, 決めていない)
I……インターセックス
L……レズビアン
T……トランスジェンダー、トランスセクシュアル
B……バイセクシュアル
A……アセクシュアル、アライ
G……ゲイ、ジェンダークィア

イギリスのレズビアン&バイセクシュアル雑誌「ディーヴァ・マガジン」で、2006年にサディ・リーさんという方が提唱したとネットには書かれていますが、すみません、元記事を探し当てられませんでした(該当記事をお持ちの方はぜひ2CHOPO編集部までお知らせください!)。キルトバッグは「綿入り生地でできたカバン」っていう意味ですから、なんかほっこりしてあたたかそうよね。

★アメリカの白人文化だけがスタンダードじゃないぜ系
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LGBTとは、過去記事でもご紹介した通り、1980年代アメリカのゲイリブ運動とその反省をもとに作られた言葉です。なのでその文化に自分はそぐわないと感じる人々が、必要な言葉を付け足して使っているケースもみられるようになってきました。

LGBTIH
I……インターセックス
H……ヒジュラー

主にインドで使われる表現です。ヒジュラーとはヒンディー語・ウルドゥー語で「半陰陽」を意味し、南アジア社会で伝統的に“第三の性”と考えられてきた社会的階級のことをいいます。すごく大雑把に言ってしまえば、日本の「ニューハーフ」に近いです。無理矢理なたとえですが。

SGL
S……Same(同じ)
G……Gender(性を)
L……Loving(愛する)

黒人のゲイアクティビスト、クレオ・マナゴ氏が提唱した言葉です。彼は、ゲイとかレズビアンとかいう言葉がそもそも白人中心の欧米文化から出てきた言葉であるとし、同性を愛することを黒人文化の中でポジティブにとらえる言葉として新しくSGLという言葉を作りました。

★増え続けるアルファベット系
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過去記事「『LGBT』は『同性愛』のお上品な言い方ではありません」でも触れたとおり、LGBTという言葉は「レズビアン・ゲイ・バイセクシュアル・トランスジェンダーという4種類の人たちのこと(その他は知らん)」的な印象を与えてしまうという問題があります。そこでL・G・B・T以外のセクシュアリティも加えようとした結果、文字数がゴリゴリ増えていくという現象が起きています。以下、「LGBT」部分は説明を省略してお送りしますね。

LGBTTIQQ2SA
T……トランスセクシュアル
I……インターセックス、インタレステッド(多様な性に興味がある)
Q……クィア
Q……クェスチョニング
2S……トゥースピリット(※説明はのちほど)
A……アライ、アセクシュアル

2009年から、カナダ・トロントのプライドパレードで使われている言葉です。2S(トゥースピリット)とは、“男女ふたつの魂を持つ者”の意味。カナダなど北アメリカの先住民族の伝統文化で、日によって男/女の服装を切り替えたりなど性別にとらわれない生き方をしてきた人々のことを指しており、今ではいわゆる「セクシュアルマイノリティ」を先住民族の視点からポジティブにとらえる言葉です。ちなみにこの「LGBTTIQQ2SA」、なんとツイッターアカウントもなっています

LGBTQQIAAP
Q……クィア
Q……クェスチョニング
I……インターセックス
A……アライ
A……アセクシュアル
P……パンセクシュアル

出所不明ですが、主に英語圏を中心に使われているようです。ここまで膨らんでくると、もう「N(ノンセクシュアル)がない」「X(Xジェンダー)がない」……って延々と突っ込み続けるほかありません。なぜなら人類は地球人口73億人ひとりとして同じ人間がいないのであり、その73億通りのあり方をたかだか何パターンかにカテゴライズしようとしても当然無理なお話だからです。

ということで、LGBTに複数形のsをつけて「LGBTs」って書くことで「L/G/B/Tに限らないんだよ」って表すやり方が提案されたわけですが、「そもそもセクシュアリティの頭文字をとるって発想から離れろや」という根本的なツッコミから別の言葉も生まれています。

★そもそもセクシュアリティの頭文字を取らない系
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セクシュアリティの頭文字をとるって発想からは離れたみたいですが、頭文字って発想からはなかなか離れないみたい。「性のあり方は十人十色、その中でマイノリティ扱いされる人もいる」ってことを英語の文章で表し、各単語の頭文字をとって並べた表現をいくつかご紹介します。

GSRM
G……Gender
S……Sexual
R……and Romantic
M……Minorities

=「自身の性のあり方、性的対象、恋愛対象においてマイノリティとされる人たち」

MSGI
M……Minorities
S……Sexual
GI……and Gender Identities

=「性自認、性指向においてマイノリティとされる人たち」

SOGI
S……Sexual
O……Orientations
GI……and Gender Identities

=「(様々な)性自認と性指向」

GSD
G……Gender
S……and Sexual
D……Diversities

=「性とジェンダーの多様性」
……ということで、

(1)「頭文字をとって読めるように並べたKAT-TUN系」
(2)「自分達の文化に合わせて言葉を考え直した系」
(3)「アルファベットを増やしていったらキリがなくなっちゃいました系」
(4)「キリがないので英語の文章を略すことにしたけど結局頭文字で略語つくるの大好きです系」

以上4パターンをご紹介しました。

もちろん、この記事でご紹介したほかにも、言い方はめちゃくちゃたくさんあるのよ。ただどんな言葉に切り分けられても、変わらないことがあります。それは、私たちがひとりひとり違っているということ。同じ言葉で呼ばれても、ひとりひとり違っているということです。そのことを寂しく感じることもあるかもしれないけれど、私はこう考えていたいと思います。「だからこそ世界は、カラフルで面白いんだ」って。

それでは、読んでくださってありがとうございました! また来週金曜日にね。まきむぅでした◎

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