東京都国立市が公民館で実施したLGBT映画『カミングアウト』自主上映会をレポート

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「いつか なんてやってこない」ーー。ゲイの大学生・陽のカミングアウトまでを真摯に綴り、昨年12月の公開時には多方面で絶賛されたLGBT映画『カミングアウト』。去る3月6日(金)に東京都国立市民公民館が地下ホールにて、『カミングアウト』の無料自主上映会を「LGBTを知る・考える映画とトーク『カミングアウト』」と題して行った。平日夜19時からの上映にも関わらず、老若男女、多くの方が参加しLGBTに対する関心度の高さが伺えた。2CHOPOでは、当日の模様と“自主上映会”を開催するに至った経緯を関係者の言葉を交えてレポートしていく。

■「LGBTを知る・考える映画とトーク『カミングアウト』」の関係者のみなさま
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写真右から
『カミングアウト』監督の犬童一利さん、国立市公民館臨時職員の森明香さん、大学非常勤講師の橋本恭子さん、国立市公民館社会教育主事の井口啓太郎さん

■今回の自主上映会開催まで経緯を聞いた

この自主上映会開催の前提として、国立市の職員である井口さんと森さんは若者支援に関する公民館事業を担当しており、昨年12月に開催した学習会に大学非常勤講師の橋本さんを招いたことが最初のきっかけだった。

「その学習会のテーマがちょうどLGBTでした。橋本さんが映画『カミングアウト』の紹介をしてくださり、その場に犬童監督も同席されていたんです。それがそもそものはじまりでしたね」(井口)

「この学習会では、現代社会を若者がどう生きるかを大きなテーマにしていて、次回はぜひLGBTの問題を取り上げたいと考えていました。そう思わせてくれたのが橋本さんなんです。橋本さんの熱意や監督がこの問題へどう取り組もうかという姿勢にとても共感しました」(森)

国立市職員のお二人はLGBT当事者の方々への理解不足などの問題に対してこの映画を上映することが適切だと強く感じ、その場で橋本さんと犬童監督に相談を持ちかけた。

「元々関心があったテーマでしたが、以前は全く知識がなくて、『カミングアウト』を映画館で鑑賞し、とても感動したんです。今まで何で知らなったんだろうと、落ち込んでしまうくらい考えさせられましたね。運よく、その映画館に監督がいらっしゃったので、大学の授業で紹介したいと言って、作品のチラシを150枚近くいただいたのを覚えています(笑)。昨年12月に行なった学習会では、もともと『映画でみるLGBT』という広いテーマを設けていましたが、『カミングアウト』鑑賞後、この作品に特化した内容に変更し、監督にも同席していただきました」(橋本)

まだ、昨年の勉強会では自主上映会など展開は公開していなかったが、話し合う中で自然と上映会の話が出たと言う。

「元々、自主上映会という考えは持っていたんですが、井口さんや森さんから積極的にアプローチをしていただいて、公式サイトで自主上映会の情報を公開したんです。そうしたらすぐに井口さんから連絡をいただいて(笑)。第一回目の上映が民間企業・団体ではなく、行政の方々に手を挙げていただいたのは非常に嬉しいことです。国立市を皮切りに、他地域の行政機関でもどんどん上映会が行われたら嬉しいです。行政機関が主催ということで、普段LGBT関連のイベントなどになかなか足を運ばない層の方々にも沢山お越し頂けたように感じています。この流れが続くように私も頑張っていきたいと思います」(犬童)

■大人から子供まで幅広い世代が参加した上映会
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平日の夜からの上映にも関わらず、会場には大人から子供をはじめ、市議会議員の方々など多くの人が来場した

■上映会前には国立市長が登壇しLGBTへの理解を求める
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上映前には急きょ東京都国立市の佐藤一夫市長が登壇し、市としてLGBTへのサポート強化を明言

■上映後は犬童監督と来場者たちとのトークセッションが催された
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撮影の裏話からLGBTへの理解、作品の感想など多くの意見交換が行われた

■まとめ

犬童監督が発言していたように、この自主上映会がまず行政で行われた意義は大きいだろう。会場には市長だけではなく、市議会議員の方や国立市以外の議員の方々も来場していたので、今後は小中学生の授業などでも扱ってもらえればと思う。そして、参加者からは上映後、「カミングアウトすることが深く悩むようなことじゃない社会になればいいと思いました。今日、この映画を観てLGBTについて考える機会を持てて本当に良かったと感じました」(抜粋)など、たくさんのアンケートが寄せられ、この作品の良さも改めて感じ取れた。自主上映会のスケジュールなどはこちらで随時更新されていくとのことなので、作品をまだ観ていない方はチェックしていただきたい。


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 2015/03/12 13:00    Comment  イベント   カミングアウト  映画              
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