第88回 【だいたい合ってる】最近の日本と同性婚法制化前後の諸外国とを比べたら、5つも似ている点があった件

 

3114914967f3724453ad8b5f9eba1c8e

歴史は繰り返すのよね。

まきむらよ。

毎週金曜、世界のニュースから性を考える時事コラム「まきむぅの虹色NEWSサテライト」をお送りしております。

今回のテーマは「最近の日本と、同性婚法制化前後の諸外国とを比べたら5つも類似点があった件」です。

最近の日本って、大まかに言うとこんな感じじゃない?

 渋谷区で同性パートナーシップ条例案が作られる

メディアに大きく報じられ、注目度が高まる

同性愛への嫌悪や無理解までもが噴出する ←今ここ

そんな今の日本は、実はまさに海外の同性婚法制化前後の様子ととってもよく似ています。フランスで2年前にやってるような議論を、今の日本でも面白いように繰り返しているんです……。

それでは、「最近の日本と同性婚法制化前後の諸外国とで似ている点5つ」さっそくご紹介しますね!


★類似点1.「同性婚は少子化につながる」デマに議員がひっかかり、批判を浴びる
5624746789fc70cabdb3d4eae9ae1fee

写真:PAKUTASO

 

【日本/2015年3月】
自民党の柴山昌彦議員がテレビ番組で「同性婚によって少子化に拍車がかかる」と発言 → のちに釈明

【アメリカ・ケンタッキー州/2014年】
民主党のスティーブ・ベッシャー州知事が「同性婚を認めると出生率が下がる」と主張 → 裁判で連邦判事に「非論理的」と突っ込まれる
しかも柴山議員の釈明文には、「私は弁護士ですし、自分が同性愛者だとカミングアウトした友人もいますので……」との一文も。

まさにこれも、アメリカで何十年も前にお笑い種になった「私には黒人の友達がいます! だから私の言うことは人種差別じゃありません!」の繰り返しですね。


★類似点2.同性婚反対論者が「子どものために反対!」と主張する

【日本/2015年3月】
渋谷で「子供達の未来を守る主婦の会」を名乗る団体による「同性婚カップル条例案反対(原文ママ)」ビラが配られる

【アメリカ・ニューヨーク州/2014年8月】
社会活動家のアラン・キーズ氏、「同性カップルに子供を育てさせることは、炎天下の車中に子どもを放置するのと同じレベルの虐待だ」とするコラムを発表

【フランス/2013年5月】
反同性婚団体「みんなのためのデモ」、「一人のパパに一人のママ。私たちは子供に嘘をつかない!」とのスローガンでデモを行う

こういった主張に対しては、フランスのイラストレーターPochep氏が風刺画一枚で反論しています。


★類似点3.なぜかこのタイミングで急にゲイバーへの取り締まりが強化される
ed46f79f442c22244cca460d457746e3

写真:PAKUTASO

【日本/2015年3月10日】
渋谷区で条例案が作られる → 同性パートナーシップにまつわる議論盛り上がる → 新宿二丁目のゲイバー経営者が風営法違反容疑で逮捕される

【アメリカ/1969年6月28日】
同性愛に理解を示していた女優ジュディ・ガーランドが死去 → ゲイコミュニティの間に悲しみと怒りが広がる → 葬儀への参列者が集まっていたゲイバーに警察が踏み込み、店員が無免許酒類販売で逮捕される
あれーっ? すっごいタイミングだなぁ! どうしてだろう、ふっしぎだね~?


★類似点4.「愛国者は同性婚に反対すべきだ!」的空気が流れる
2c05c984447e4aa79abfe18d3eae1f40

写真:2013年、パリの反同性婚デモにて 筆者撮影

 

【日本/2015年3月10日】
渋谷ハチ公前で、同性パートナーシップ条例案に反対する市民らが日の丸を掲げる

【フランス/2013年】
パリ元老院前で、反同性婚を主張する市民らが連日フランス国旗を振りながらフランス国歌を歌う
こういう例が目立つためか、
「愛国者=同性婚反対=異性愛者=右翼」
「非国民=同性婚賛成=同性愛者=左翼」

みたいなレッテル張りをされる流れはわりと万国共通のようです。

なんていうかほんと、人間って、単純化してわかりやすい敵をつくるのが好きなのねって思います。ちゃんとひとりひとりの意見を聞けば、そんなに単純な話では全くないんだけどね……。


★類似点5.「同性婚? 次はロリコンや一夫多妻か!」とか本気で言い出す
ac8a1b15286060c776a641c8313f4d97

【日本/2015年3月】
渋谷区の路上で、同性婚を一夫多妻と関連付けて批判するビラが配られる

【フランス/2013年初頭】
パリ市の街灯などに、「今日は同性婚、明日は一夫多妻」と主張する反同性婚ステッカーやビラが貼られる(写真)
同性婚と一夫多妻・小児性愛と何が違うかって、それは「両者が平等な立場から結婚に合意していることが客観的に確認できるかどうか」の一点です。

例をあげるならば、

「なぜ一夫多妻はよくて一妻多夫はダメなの?」
「赤ちゃんと結婚したい人がいたとして、その赤ちゃんが本当に本人の考えで結婚に合意しているかどうかを誰がどうやって確かめるの?」

っていうような、同性婚にまつわる議論とは別の問いに答える必要が出てくるんです。

にもかかわらず同列に語ること自体、「成人男女の結婚が普通。それ以外は異常」っていう異性愛中心的な価値観に基づいているのよね。それにも気づかずこのお話、また日本で繰り返されちゃってるわね……。

0490f34a5ae9fef82a2f80b44f9c7605

そんな日本の状況を見ていると、なんていうか「あぁ、春が近いのねぇ……」っていう感想に私はなります。本当にまさに今みたいな議論を経て、フランスは2年前、同性婚を法制化するという結論に至ってるのよね。

ということで上記のような事例を前に、

「その話はもうおフランスで2年前に済んでるザマスのよ!!」

ってついつい言いたくなってしまいますの、わたくし。

でもそれだと、そういうふうにしか見えなくなっちゃって何より私自身がつまらないので、「あーその話もう○年前に聞いたわー」と思ってもちゃんと耳を傾けたいと思います。できるだけね……。

そして同性婚うんぬんにとどまらず、日本の社会制度をこれからどうしていくかっていう視点で、これからも考えていきたいなって思うのです。

だって、私にとってはそのほうが面白いんだもの。単純化された賛成派vs反対派バトルに加わるよりね。

ということで、今週も「まきむぅの虹色ニュースサテライト」読んでくださってありがとうございました。また来週金曜日にね! まきむぅでした◎

Top