#29 我が家の食卓。

 Comment  連載   みっつんのLondon Days              

 

今週は唐突に、我が家の食卓を公開したいと思う。つい最近も食事ネタをやったばかりではないかという声が聞こえてこないでもないが、食事は僕らの“London Days”の割と重要な部分をしめているのだ。何しろロンドンは物価が高く、たいして美味くもないものに、2000円近く払わされるのがオチだ。いかに自宅で美味いものを作るかが勝負の日々、毎日凝った料理は作れないけれど、こちらに来て相当料理の腕は上がったきがする。
それではまずはこちら、折角ロンドンにいるのでブリティッシュフード、“ケッジェリー”をご紹介したい。
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ケッジェリーはあまり知られていないブリティッシュ料理かもしれない。燻製にしたタラなどの白身魚が入っている、ピラフのようなチャーハンのような米料理。炊いた米をカレーのスパイスと野菜と混ぜて、それを固ゆで卵と食べるというのが伝統的なケッジェリー。初めて食べたのは以前ボランティアをしていた、近所にある老人向けデイサービスのランチだった。それまで見たことも聞いたこともないその料理はベタベタした炒飯のようで、ぐちゃぐちゃになった魚が決して美味しそうには見えなかった。他のおかずも選べたけれど、どこか好奇心をくすぐられてしまうこの性格、食べない手はなかった。そして、食べてみると……おいしい。それからケッジェリーのファンになった。自分で作るときはかなり自分好みにアレンジして、他の魚をつかったり、卵は半熟にしたり野菜を多めに入れたりしている。カレー粉を使い、植民地支配の賜物とでも言うべきこの料理、米+カレーという鉄板の相性。とにかくこの”ケッジェリー”という音の響きが可愛いなと思いながらいつも食べている。
さてお次は、リカの出身のスウェーデン料理をご紹介。みなさんIKEAで食べたことがあるであろう。ミートボールである。
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リカのおばあちゃんのおうちにいくといつも作ってくれるミートボール。見よう見まねで真似をしてみるが、熟練の味には流石に敵わない。フライパンでころころ転がしながら焼いている時につくり方を聞いたのだが、おばあちゃんはスウェーデン語で説明し、僕が英語で受け答えるというなんとも不思議な雰囲気の漂う中、なーんとなくの理解をし、ロンドンに帰ってきてから作ってみた代物だ。
お肉を焼いたあとは、そこにたっぷりの生クリームとちょっとの牛乳を入れて、塩胡椒で味を整えるだけ。写真の中で添えられているのはリンゴンベリーのジャム。おばあちゃんは今でも夏になると森へ行き、いろんな種類のベリーを摘み、それをリカのお母さんがジャムにする。このジャムもお母さんお手製。リンゴンベリーは腐りにくく砂糖をあまり使わなくても保存できるので、甘さ控えめでお肉料理にぴったり。しかし、おばあちゃんのレベルに到達するにはまだまだ遠い道のりだ。
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そして最後は味噌カツ、名古屋人の魂、僕のソウルフードである。そのどす黒い味噌だれは、腹黒く保守的な名古屋の人間の心のうちを見事に表していると聞いたことがある。しかしそれと同時に人を油断させる甘さを押し出すことで、そのどす黒さをなかったことのようにさせるずる賢さも兼ね備えている、と個人的には思っている。今回は衣の下に多めに白胡椒をまぶして、ピリリとしたアクセントをつけてみた。甘い味噌だれにはそれがいい。またロンドンではパン粉が手に入りにくいので、生のパンを削ってパン粉を作り、揚げ物すると油がもったいないので、オーブンで焼いてみた。こっちのキッチンは大きなオーブンがあるからありがたい。
と、まぁこんな感じでやっている。実際にはもっと和食が多いのだけれど、あまりそれを押し出すと「お前本当にロンドンに住んでるんか?」という疑いをかけられることが多いので、まずはこれぐらいにして今日は失礼したいと思う。ちなみに、今日からリカがイースター休暇でスウェーデンに行っている。僕は仕事があって今回一緒に行けないのだが、一人になると、こんな感じになってしまう。まあ、でもこんな独身飯もたまにはいいもんだ。
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アボカドはチューブのわさびを乗っけて、種のあった穴に醤油をたらしてスプーンで食べる。ひとりのときは洗い物も最小限に抑えたい気分だ。

 

 2015/04/02 07:00    Comment  連載   みっつんのLondon Days              
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