第17回 運命の人かどうかを気にする前に

 

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「どうしたら今付き合ってる人が運命の人だってわかるの?」

友達からいきなりこんなメールが届いた。「ラブコメの見過ぎ?」とそっけない返事をする前に、少しその答えについて考えてみることにした。

今の彼氏とはもうすぐ交際して4年になる。今でもラブラブだし、なんでもカジュアルに話し合える仲だ。共通点もたくさんあれば相違点だって多い。セックスしたい日もあれば、したくない日もある。お互いの顔を見たくない日だってある。そんなでこぼこ道に当たることもあるけれど、なんだかんだ安定している。しかし、明日何かあって突然破局することだってあるかもしれない。この関係で唯一確かなことは、それが完璧からは程遠いということだ。今の彼氏を運命の人と呼べるのかと聞かれれば、返す言葉はこれしかない。

「運命の人って何?」

この世でただ一人、恋に落ちると生まれる前から運命付けられた人じゃないの? そんな答えで簡単に片付けられるほど、この問題はシンプルじゃない。深く考えずに使われている言葉ほど、意味があやふやなことが多い。ソウルメイトだったり、赤い糸の人だったりと、そのバリエーションも豊かだ。運命の人と一口に言っても、その定義はきっと多種多様だ。「運命の人 見分け方」とググれば、胡散臭い記事がずらーっと出てくる。もしかしたら、誰も確実な答えは持っていないのかもしれない。

そもそも、運命の人がただ一人だって誰が決めたのか? まるで人間みんな誰かと恋に落ちて、生涯共に幸せに暮らすみたいだ。そんなのはおとぎ話の中にしか存在しない。離婚率は相変わらず高騰し続けているし、独身として生きる人も増えている。一生のうちに誰も愛さない人がいれば、何人もの人と恋に落ちる人もいる。ライフスタイルが多様化した今、運命の人というコンセプトはいい加減に時代遅れだ。

「そう言われても、やっぱり今の恋人が運命の人なのか知りたい!」

答えが出ないとわかっていても、気になってしまうのが人間である。運命の人がいると仮定して、それを見分けられる魔法でもあれば、もっと簡単に幸せになれるのに! もし本当にそう考えているのなら、恋愛をする前にするべきことがたくさんあるだろう。そう言いたいのは山々だが、そんなにビターになってもしかたない。深呼吸をしてから、メールをくれた友達に返事を書いた。

「運命の人かどうかは、自分で決めればいいんじゃないの?」

外野の声ばかりに耳を傾けて、目の前にある自分たちの関係がまるで見えてない人がたまにいる。恋愛はドライブと同じだ。目の前を見ていないと事故に遭う。自分の恋人が運命の人かどうかなんてことばかり気にしていたら、肝心な恋愛がおろそかになってしまう。運命の人を見分ける魔法のない世界に暮らしているなら、自分の恋愛を少し違う視点から分析すればいい。

自分にとって納得のいく恋愛なら、それでいいじゃない。運命の人と出会って生涯幸せに暮らしたって、運命の人とたくさん出会って波乱万丈に生きたって、運命の人なんて無視して独身を楽しんだって、どの道が勝ち組か負け組だなんて決める必要はない。3時間で燃え尽きた恋だって、30年間燃え続けた恋だって、その重みを決めるのは自分自身である。誰が教えてくれたのかはもう覚えていないが、こんな言葉が今でも心に残っている。

「運命の人は実はたくさんいて、私たちは様々な形の人間関係を築く機会に日々恵まれている。それを選ぶのも、無視するのも、私たちの選択次第である。だから、心配なんてしないで、肩の力を抜いて生きればいい」

そう考えると、昔セックスした数々の男性もみんな運命の人に見えてきた。

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