#30 サロガシーの旅 | 代理母決定

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なんだか急に忙しくなった。何が忙しいってサロガシーの準備だ。エージェンシーと病院の両方から、読みきれないほどのメールが連日怒涛のように送られてくる。それというのもつい先日、代理母(代理懐胎をしてくれる方)が決まったからだ。僕らは男同士のカップルなので、2人とも妊娠できない。そこでお腹の中で育ててくれる代理母(サロゲートマザー)が必要になってくる。ちなみに代理母は卵子提供者とは別に選ばなければならない。代理母を決めると言うとよく聞かれることなのだが、
『カタログみたいなものがあってそこから選ぶの?』
って、僕自身も想像していた。しかし実際にはそんな感じではなく、お見合いみたいな感じだった。登録してあるエージェンシーにはチームがあり、いろんな人が関わっているが、その中には社会福祉士の方がいて、その人が日本でその昔いた『お見合いおばさん』的な役割を担ってくれる。
その社会福祉士さんは、代理母になりたい人(パートナーがいる場合はその相手にも)と面談を行い、スクリーニング(適格審査)を行っている。また、病歴や過去の妊娠・出産についてもそのスクリーニングの一部であり安産だったか、自然分娩だったのかなどの聞き取りが行われる。それらを通過した人のみが、僕らのような代理母を探している人に引き合わされるというわけだ。つまりは、その段階で代理母にふさわしくないと思われる人は、はじかれてしまうので、僕らのところに紹介される人は既にお墨付きというわけ。
エージェンシーから初めてその人を紹介されたときは、まずは書面によるプロフィールが送られてくる。そこにはスクリーニングで聞き取られた、詳細な彼女の人生についてや、今の家族構成、仕事や生活についてなどが書かれていて、日常生活の写真も添付されていた。そしてそれと同じように僕らのプロフィールが向こうにも渡っていたらしい。相手側には僕らがロンドンに住むゲイのカップルであるということももちろん伝わっていた。
紹介する側はこの人とこの人なら合うだろうと思って紹介してくれるので、彼女のプロフィールにはなんら問題が見当たらない。彼女も同じように思ってくれたらしく、会って喋ってみることになった。僕らは住んでるところが離れていることもあり、スカイプで会うことになった。
エージェンシーからのアドバイスとして、それなりに必要な事はプロフィールの中にすべて書いてあるはずなので、ブラインドデートだと思って、普通の日常会話だけすればいいですよとのことだった。妊娠出産に向けて約1年ほどのプロセス、その間ちゃんと心を開いてコミュニケーションをとっていけるかということが大事だから、話をして気が合うかどうかといったフィーリングが大事ですよと言われていた。
スカイプの直前僕らふたりはかなり緊張していたと思う。しかし30分くらいのおしゃべりのあと、次第にリラックスし、打ち解けてきたら、用意していた質問のいくつかを横目でチラチラ見ながら自然な流れのなかで聞いたりしていた。一番聞きたかったのは、なぜ彼女は代理母をしようと思ったのかということだった。
数年前、彼女は子どもができなくて悩んでいる女性の親友がいて、自分は既に出産の経験があることから彼女の相談に乗っていたそうだ。そんな中サロガシーのことを知り、自分ができることならと思っていたが、その時は諸事情がありできなかったらしい。そして時が経ち、自分がまだ妊娠ができる年齢だということもあり、同じように子どもが欲しいけれどできない人のためになるならと、エージェンシーに登録をしたそうだ。彼女にとって、その決断はとても自然な流れだったと言っていた。そして彼女も僕らになぜ子どもを持とうと思ったかということを聞いてきたが、それは長くなるので、また別の機会にお伝えしたい。
そして合計約1時間のスカイプのあと、互いに好印象だったことをエージェンシーに伝えておいた。こうして代理母候補の方とのマッチングができた次第。エージェンシーに聞くと、ほとんどの場合が僕らのように一人目の紹介で決まることが多いらしい。
大きな前進をしたとほっとしたのもつかの間、その直後に訪れた膨大なメールや書類、そしてミーティングなどでバタバタしてはいる。しかし、それがひとつひとつゆっくりプロセスが進んでいるんだなと実感する所以であるし、こういう大きなステップがあるごとに、親になるという実感が少しずつ湧いてくるのであった。怖いような、わくわくするような……。
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約半年、30回に渡ってご愛顧いただいた“みっつんのLondonDays”ですが、今回をもってしばらくお休みをいただきたいと思います。また近い将来みなさまに別の形でお会いできるのを楽しみにしております。そしてその時にはいいご報告ができるよう努力してまいりたいと思います! この半年間ご愛読ありがとうございました。Twitterもやってますので、近況などこちらを覗きにきてください。それではまた!

 

 2015/04/09 18:00    Comment  連載   みっつんのLondon Days              
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