第18回 あなたのセックスはどっち?肉体的快感と精神的快感

 

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「セックスって二種類あるよね」

ドッグパークでお互いに激しく腰を振る犬たちを観察しながら、友人がボソッと言った。急な話に驚いて横を見れば、彼の目線は加速していく犬たちの腰使いに釘付けになって、口はポカーンとなっていた。提示された仮説を納得が行くまで説明してほしいのに、こう焦らされてはますます話の続きが気になった。

ノンケセックスとゲイセックス?

アナルセックスとオーラルセックス?

バニラセックスとキンキーセックス?

彼の言う種類はいったい何を意味するんだろうか。腰の振り合いに飽きた犬たちが走り回りながら戯れ始めると、友人の口はまた動き出した。

「セックスする時って、身体で感じているセックスと、頭の中で感じているセックスがあるよね?」

これまた抽象的な説明をされてわかったようでわからない。わからないようでちょっと当てはまる微妙な感じだ。なぜかこんな昔のことを思い出した。

15歳の夏休み、受験勉強で毎日朝から晩まで勉強していた。通っていた塾では成績が悪いクラスに入れられたおかげで、周りは男子ばかりだった。そんな環境下で性欲豊富な思春期男子たちが集まれば、話題は絞られてくる。性に関しては無知だった自分も、自然とオナニーの存在を知ることになった。チンコを擦り続けていれば白いものが出てくるなんて、そんな魔法のような話は都市伝説だと思っていた。

ある夜のこと、勉強に飽きた自分はそのオナニーの話を思い出して、教わった通りにアソコを擦った。ラジオからはSPEEDの『熱帯夜』が流れていた。その歌詞に負けないくらい蒸し暑い中、汗だくになって股間を擦った。勝手がわからないので、柔らかくなっては試行錯誤してまた硬くした。あきらめて勉強に戻ろうかと思ったところで、体験したこともない感覚に体が支配されて、初めての射精を体験した。自分の体にそんな秘密があったなんて知らず、とても驚いた。

次の日、そのことを塾で報告するとこんな反応をもらった。

「エロ本とか、アダルトビデオとか見なかったの?」

中学生のくせに、みんなどこでそんなものを手に入れているのだろう。股間から得られる快感だけで射精しようとしたから、あんなに苦労したのだと納得した。その瞬間、自分が昔から他の男性を見て興奮を覚えた経験と、昨晩のぎこちないオナニーがリンクした。今まで頭の中で繰り広げていた妄想やファンタジーもセックスの一部だったのだ。肉体と精神を両方刺激して楽しむのがオナニーだと知って、その日の塾帰りに近所の老舗の本屋さんでエロ本を立ち読みした。新世界に触れて目を輝かせていたら、お店のおばちゃんに見つかって怒鳴られた。

「昔から夢に見ていたセックスがあるとするじゃん?ある日、実際にそれをやることになって、それが想像通りの快感だった時はもう本当に生きていて良かったってなるんだよね。もう体も心も満たされて最高に幸せな気分になる」

ど変態なSMプレイが大好きな友人はいつかこんなことを言っていた。もちろん、試してみたら萎えるばかりのセックスの方が多いらしいが、それでも大当たりを求めて彼は日々セックスを発掘する。確かに、肉体で感じている刺激と、精神的に得られる刺激がシンクロした時、快感は何倍にも膨れ上がる。彼曰く、日本のポルノ産業は精神的な刺激をよく理解しているというが、そうなのかと頷くしかなかった。

セックスの快感をここまで意識したことは今まで正直なかった。今度セックスにありつけた日には、どうして気持ち良いのかもう少し注意してみたい。もしかしたら、何か新しい発見があるかもしれない。

あなたがセックスで得ている快感は肉体的?精神的?それとも…?

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