【短期集中連載】いざ!多様な花咲くトロントへ。Vol.1[ゲイバー篇]

 

たとえば1週間休暇ができたら、あなたはどこに旅に出るだろうか? ギリシャのサントリーニ島で毎日夕陽を眺めるのもいいし、パリの左岸をじっくり散策するのもいい。ニューヨークで博物館やミュージカル三昧もいいだろう……。でもちょっと目先を変えて、カナダというのはどうだろう? 僕は正直、今までカナダと言えばメイプルシロップとナイアガラの滝しか浮かばなかった……。

初めて行くトロントは、多民族な都市でありながら、ニューヨークとはまた全然違っていた。どこか素朴で垢抜けないとさえ思っていたトロントは、帰る頃にはその不器用なぬくもりが忘れがたく、今度はいつ戻って来られるだろうかと思う。

今週末は東京でも、“TOKYO RAINBOW PRIDE”がはじまるが、6月末には世界最大規模のPRIDE TORONTOも開催される。さあ、LGBT先進国の街トロントへ。

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カナダはあと4年もしないうちに、白人がマイノリティになるらしい。

はじめて訪れたのに、さまざまな人種が混じり合って暮らすカナダは、アジア人の僕たちにもとてもやさしく感じられた。これは同じ国際都市でもニューヨークやパリやロンドンでは感じられないことだ。

今回、オンタリオ州観光局の方にトロントにおけるLGBTの歴史を聞きたいとリクエストをしていた。案内をしてくれたのは、スチームサウナを経営していてチャーチストリート(ゲイバーが集まるエリア)では有名人のジョン(鋭い目つき、日焼けサロンでこんがり焼いた50歳くらいのガッシリした白人のおじさん)。そして、トロントのパレードの主催者の一人でもあるショートヘアでふくよかなレズビアンのリズ。

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少し前のアメリカでは同性婚はまだほとんどの州において認められていなかったため、同性婚が完全に認められているカナダに来てから結婚式を挙げる人が多かったそうだ。しかし、カナダは昔からずっとLGBTに寛容であったわけではないと言う。

ニューヨークでストーンウォール事件(1969年ストーンウォールインというゲイバーに警察の踏み込み捜査が入った際に、みんなで抵抗して戦った歴史的な事件。これを発端にニューヨークのゲイパレードは始まった)があったように、1981年のトロントでも、ハッテン場において286人ものゲイが逮捕された事件があった。

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そしてそれを機に、トロント中のゲイやレズビアンなどが集まり団結して、自由と平等のために立ち上がり戦い、トロントでのLGBTアクティビズムの大きな流れになって行った。

やがてトロントは、昨年World Prideの開催地となり今や世界最大のLGBTパレードを行うまでに成長したのだ。

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写真提供:オンタリオ州観光局

今回案内してくれたジョンが、自分のスチームサウナ『STEAM WORKS BATHS 』に案内したいと言うので一緒に行って見学して来た。

中に入るととても清潔で、腰にタオルを巻きながら男探しに徘徊する人たちがいる。そしてなんとジムがある!腰にタオルを巻いた怪しい人がなぜかジムの器具を操っていたり(笑)、モニターではポルノが流れている……小さな部屋が沢山あって、お相手をゲットした人たちがしっぽり部屋に閉じこもっていたり、はたまたその部屋での一部始終を、モニターに放映することの出来る部屋まであったり……OMG!

別れ際にジョンが、「今日は客もいっぱい過ぎて楽しめないと思うから、明日の7時過ぎにおいで!これは俺の名刺でこれを出せばVIP扱いにしてもらえるから!」そう言ってウインクしながら、僕のことを普通ではない強さでしっかりと抱きしめた。


【トロントのゲイバー紹介】

【おすすめ度:★★★★★】
WOODYS
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最もポピュラーで、いつ行っても人で賑わっているトロントを代表する店。大きな店内は中が幾つかの部屋に分かれていて、男を探している人が集まる部屋、ショーをやっているステージのある部屋、友達とサロンのように話すことが出来る部屋など雰囲気が異なっている。カウンターの中は選ばれたかのようにマッチョでイカツイ店員さんばかりなので、お酒を頼むのも楽しい。この店は、トロントのさまざまなLGBT団体に寄付をし続けているという。どんな小さな団体にもオーナーは何かしらのサポートをしていて、町の人たちもそれを知っていてリスペクトしている。お金は良い循環をしているのかもしれない。

【おすすめ度:★★★☆☆】
CREWS TANGOS
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ドラァグクイーンが毎日ショーをやっている店。ミックスで入れる店内は、遅い時間満員となる。

【おすすめ度:★★★☆☆】
BLACK EAGLE
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髭で皮ジャンや、ハーネスをつけた怪しい男たちが集まるセクシーな店。2階は暗くなっている部屋があり、壁で細かく仕切られている部屋では、立ったまま男を物色していたり、暗闇で出来たふたりが激しく抱き合ったりしていた。

【おすすめ度:★☆☆☆☆】
Flash
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ポールダンサーが次から次へと服を脱ぎながらお客を挑発する店。気に入ったダンサーがいたら、お店に言えば奥の暗い部屋に案内してくれる隠微な店。立っているだけでも、ショーが終わった店子が裸で誘いに来る。

【おすすめ度:★★★☆☆】
STATLERS
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シンセサイザーや弦楽器を使った生演奏が聴ける店。早い時間は、50代以上の人々で賑わうけど、遅い時間は若者で賑わっていた不思議な店。


トロントのLGBTシーンを案内してくれたリズは、大きくて肝っ玉母さんのようなレズビアン。情熱的でお節介なリズは、眠くてしょうがない僕たちを捕まえたら離さず、結局5軒のゲイバーをハシゴした……死ぬかと思った。

トロントの人はニューヨークなんかに比べると、どこかおっとりしていて垢抜けない気がするけど、町のそこここで感じるのは彼らの親切心でありやさしさ、温かさだ。さまざまな人種やセクシュアリティが暮らすこの町は、違うもの同士がやさしく触れ合い、混じり合い、支え合っているように見える。

オンタリオスタイルは情報満載の旅サイトです。旅行の前には是非ともチェックしてみてください。
アウトアジアトラベルでは、トロントブライドツアーを企画しています。 現地LGBTとのBBQなど、一味違ったツアーをお楽しみいただけます。

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