第94回 「神は新しいことを恐れない」LGBTをタブーとする教会にローマ教皇が挑む

 

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キリスト教は同性愛NG……そう思っていた時期が私にもありました。

まきむらよ。

毎週金曜、世界のニュースから性を考える時事コラム「まきむぅの虹色NEWSサテライト」をお送りしております。

今回のテーマは「LGBTをタブーとする教会にローマ教皇が挑む」です。

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写真:Wikimedia Commons

全世界のキリスト教カトリック教徒を教え導く、現ローマ教皇、フランシスコ法王。

そんな立場でありながら彼は、一般人とのツーショット写メに応じてくれたり、ひつじさんの赤ちゃんを肩に乗せてみたりなど、親しみやすいキャラで人気です(参考:法王フランシスコの意外な一面 画像集)。

また、かつては話すことすらタブーだったLGBTについても、フランシスコ法王は積極的に発言を続けています。

今回はそんなフランシスコ法王のほっこりエピソードを、

★ 同性愛者、裁く立場にない……タブーに挑んだフランシスコ法王
★ フランシスコ法王のほっこりエピソード
★ 法王、板挟み? フランス「ゲイの大使を送るね^^」バチカン「うぐぐ……」

以上の流れでお送りします!

※ちなみに「どう見てもラスボス」ということでクソコラを作られまくっていた前教皇ベネディクト元法王とは違う人です。
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★ 同性愛者、裁く立場にない……タブーに挑んだフランシスコ法王

まず、当たり前のことだけれど、「キリスト教徒に同性愛者はいない」ってわけはないのよね。

たとえば日本にもLGBTフレンドリーなキリスト教の教会がありますし、フランスでは「キリスト教徒の同性愛者向けハウツー本」なんてものも出版されています。

それから、「キリスト教は同性愛NG」とも言い切れません

くわしくはこちらの記事がわかりやすくて面白いんですが、簡単に言えば「キリスト教を同性愛NGと解釈する人もいる」くらいの言い方をしたほうが正確なのです。

それでも歴史上、同性愛者であることに罪の意識を感じて苦しむキリスト教徒は少なくありませんでした。そんな中、2013年7月、フランシスコ法王はある歴史的な演説を行います。

「たとえば善き心を持ち、神への道を求めるゲイがいたとする。ならば、彼を裁く私自身は、一体何者だというのだ? 私たちは、そんなことで人間を見下すべきでないのだ」

こんな考えのもと、フランシスコ法王は同性愛者を排除しない教会をつくるための改革を推し進めようとしました。その改革は反対に遭い、うまくいきませんでしたが、それでも法王は多くのLGBTに手を差しのべつづけています。

★ フランシスコ法王のほっこりエピソードまとめ

たとえば、こんなことがあったのよ。

・フランシスコ法王、自らの希望でイタリアの刑務所を訪問し、LGBTの囚人やHIV陽性の囚人が作ったパスタを一緒に食べるの巻(出典:Christian Today

・フランシスコ法王、性別移行手術を理由に「悪魔の娘」呼ばわりされて教会から追い出されたFtMと直接会ってハグして励ますの巻(出典:Towleroad

・そんなことしてたらフランシスコ法王、社会派ゲイ雑誌「アドヴォケート」にLGBTコミュニティへの貢献者として表彰されちゃったの巻(出典:Advocate)

そしてまさに今、決定的な出来事が起こっています。

フランシスコ法王のいるバチカン市国が、「ゲイであることを公表しているキリスト教徒を公式に大使として認めるか?」という選択を迫られているのです。


★ フランシスコ法王板挟み? フランス「ゲイの大使を送るね^^」バチカン「うぐぐ……」
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「最良の外交官の一人だ」

同性婚法制化を公約として当選した、現フランス大統領フランソワ・オランド氏。

彼がフランシスコ法王のいるバチカンに送る大使として選んだのは、ゲイであることを公表している、外務省のロラン・ステファニーニ氏でした。

“ゲイだから”あえて選んだのか。それとも、“ゲイとかなんとか区別してないからこそ”優秀な人物を選んだのか。

その真意はわかりませんが、「バチカン市国がオープンリーゲイの大使を認めた」となれば、長らく同性愛をタブー扱いしてきた歴史上はじめてのことになります。

オープンリーゲイの大使が選ばれてから、バチカン市国は3か月半もの間、ノーコメントを貫いています。フランシスコ法王もまた、「別に彼に敵意があるっていうんじゃないんだけど……」と言葉を濁しています(出典:20minutes.fr)。

国としてLGBT差別に反対するフランス。
「差別はダメだけど、受け入れることもできないなぁ……」的態度のバチカン。
フランシスコ法王はその狭間にあって、今も悩んでいるのかもしれません。ただおそらく間違いないのは、悩みながらも前に進めようとしている、ということではないでしょうか。

ということで、今週も読んでくださってありがとうございました! また来週金曜日にね。まきむぅでした◎

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