第107回 今、あらためて考える同性婚

東京レインボーウィークのイベント、今年はふたりでたくさん参加させていただきました。渋谷区のいわゆる「同性パートナーシップ条例」の施行もあり、今年は昨年以上に大盛り上がりでしたね!
今回は渋谷区の条例、渋谷区長選、東京レインボープライド&ウィークと、激動のここ数ヶ月の中であらためて考えた「日本における同性婚」について、東小雪がお届けします。
私は主に次の3つの観点から、日本における同性婚の実現を求めて色々なメディアを通じて発信させていただいています。
1. 生活
2. 平等
3. 意識の変化
まずは「生活」
これは例えば、
・引っ越しの際、婚姻している「夫婦」でないために部屋を借りにくい
・家を購入する際、共同名義でローンを組むことができない
・パートナーが入院した際、「家族」として面会できるか不安
・パートナーの手術の同意書にサインができるか不安
・パートナーを生命保険金の受取人に指定する選択肢が極端に少ない
・財産を確実にパートナーに残すことが難しい
など、具体的な困りごとの解消です。
私たちは結婚式を挙げて、共に会社を経営して、生計を一つにしている「ふうふ」ですが、法的な扱いは「ルームシェアをしているお友だち同士」としか認められません。長い人生にはさまざまなリスクがつきもの。そこには同性カップルも異性カップルも本来差はないはずですが、現状の法制度には大きな違いがあります。
渋谷区で今年度中に同性パートナーシップ証明書の発行が開始することが条例で決まっていますが、パートナーシップ証明書を取得することで解消できるだろうことは、今のところ限定的です。渋谷区の条例をめぐっては、一部報道で「同性婚条例」という文字を見ることも少なくなく、渋谷区の条例でできることと、国としての同性婚の混同がみられます。私は渋谷区民として渋谷区のパートナーシップ証明書に期待しつつも、日本での同性婚の実現によって今ある困りごとが解消されることを望んでいます。
次に「平等」
男女のカップルであれば「婚姻する/しない」を選ぶことができますが、男男・女女のカップルにはこの選択肢がありません。婚姻制度には問題点も多いことから、私たちも2年前くらいまではインタビュー等で「同性婚を求めている」と言うのをためらっていました。ですが、欧米の同性婚法制化のニュースを見るにつけ、男女カップルが選べて同性カップルが選べないのはおかしいと思うようになり、まずは制度上の差別を解消し、平等になるところからスタートしたいと思っています。
そして「意識の変化」
「法律ができても、差別や偏見が根強い日本社会では、カミングアウトを恐れて実際に利用できるカップルは僅かなのではないか?」といった声も聞かれます。確かに、法律ができても社会的な差別・偏見は直接的に(すぐには)解消されないかもしれません。しかし、法律ができることによって人々の意識が変化していくという側面もあるはず。
「同性が結婚(婚姻)できるようになるなんて、日本も変わったんだ」
「法律で認められたのだから……」
本質的なことではないかもしれませんが、このような意識の変化も期待できると思うのです。
同性婚が法制化されてメディアが報道したら、広く一般の人々の認識が変わっていくでしょう。今、同性婚したい大人ができるようになるだけでなく、同性婚ができる国に育つ子どもはどうでしょう。当事者の子どもも、そうでない子どもも、同性カップルも結婚できる環境で教育を受けて成長したら…?
ゴールデンウィーク中、同性婚について考えるイベントや機会がいくつかあったのでご紹介。
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LGBT支援法律家ネットワーク有志主催シンポジウム「憲法学者・木村草太准教授と同性婚を考える」に参加。200名近くの参加者で、会場は熱気に包まれていました。木村草太さんが「憲法24条が同性婚を禁止しているという説はおかしい」と明言されていたのには勇気をもらいました。シンポジウムのレポートはこちら「憲法が同性婚を禁止? 憲法学者・木村草太さん「そんな説はお笑い。今日でおしまい」(弁護士ドットコム)をご参照ください。
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Photo: toboji
米国カリフォルニア州での同性婚にまつわる裁判を追ったドキュメンタリー映画『アゲンスト8』の特別上映会。昨年の東京国際レズビアン&ゲイ映画際以来、拝見するのは2回目でしたが、何度見ても熱い涙が込み上げてきます。2015年冬以降に公開予定とのことで、公開されたらまたぜひ観に行きます。同性カップルの法的保障について考える際に非常に参考になる、超おすすめの一本です。
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2015年5月2日(土)東京新聞/中日新聞/北陸中日新聞の「考える広場:「同性婚」新しい家族の形」に掲載されました。他のお二方のお話もとても興味深く、新たな視点を得られた特集でした。記事の写真は愛知県にお住まいの方が送ってくださったもの。
「日本ではあとどのくらいで同性婚が認められるようになると思いますか?」と、色々な方によくご質問いただきます。私は5年以内にできるようになるのではないかと考えています。ここ2〜3年で日本のLGBTを取り巻く環境は大きく変化しています。同性カップルの法的保障についても、希望を持って進めていきたい。「私も日本でひろこさんと結婚したい!」そう思って発信しています。
LGBT支援法律家ネットワークさんが、日弁連に対して「同性婚に関する人権救済申立」の申立人を募集していることは、2CHOPOでも牧村朝子さんの記事永易至文さんの記事で取り上げられていますね。とても重要な動きだと思っているので、私からもぜひご紹介させてください。
申立人には、
・レズビアン、ゲイ、バイセクシュアルなど当事者の方が
・シングルでもカップルでも
・お金をかけずに
・住所と名前をマスコミ等に公開せずに
なることができます。
「当事者ではないけれど応援したい!」という方は、LGBT支援法律家ネットワークさんで寄付を集めていらっしゃるので、どうぞご協力をお願いいたします。また今後オンライン署名も立ち上がるようですので、そちらもぜひ。
→人権救済申立の詳細はこちら
私たちカップルも申立人になりました。
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「日本はまだまだ時間がかかる」「カミングアウトしていないから難しい……」とあきらめずに、ぜひ一緒にできることを探していきましょう!

 

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