第28回 あなたならどうする 泣くの歩くの 死んじゃうの

キャリー、サマンサ、ごめん‥。
スーザンとブリーもごめん‥。
アタシ、あんたたち以上に愛する海外ドラマ、見つけちゃったわ。

と、海外ドラマといえば、
先日、こんなニュースが流れました。
「同性愛の登場人物、過去最多に=米TV番組」
『SEX AND THE CITY』の、「あ~日本にもこんなオカマいるいる!」な主人公の親友オネエ、オシャレちんくしゃスタンフォードをはじめ、海外ドラマには主要キャストに必ずといっていいほどゲイキャラが登場し、LGBTに関するエピソードが用意されていたりしますよね。

それもそのはず、明言してるしてないの差はあれど、『デスパレートな妻たち』『glee』『アグリーベティ』など、数多くの有名ドラマの監督や脚本家には、LGBTの皆さんが名を連ねてるんです。

彼らは、ドラマを全世界的にヒットさせつつ、その中にLGBT魂を、会話センス、カルチャー、LGBT当事者の登場人物、社会問題、などいろいろな側面からぶっこんでるわけ。いい仕事してまんなぁ。

日本でも、ケンコバさんがオネエ刑事を演じてくれたりと、たまにそれっぽい設定は登場するものの、ネタとしての域を出ていないことがほとんど。
(アタシが個人的に印象に残ってるのは2001年に放映された本木雅弘&天海祐希主演の連ドラ『水曜日の情事』。北村一輝さんが天海さんの親友でゲイという役で、わざとらしいオネエキャラでもありませんでした。こういう先進的な設定を10年以上前に入れてくれた脚本家野沢尚さんが、自殺されてしまったというのは本当に残念‥)

まあ大昔には『同窓会』という(ぶっとび系)金字塔ドラマもありましたし、日本のドラマ制作者にも、やってやろうって方が皆無なわけじゃない。
とりあえず今はスケベ昼ドラの『赤い糸の女』を応援しときましょうね!
(『真珠夫人』『牡丹と薔薇』でも有名な脚本家の中島丈博大先生の、数少ない兼監督作品は『おこげ』です)

で、アタシがすっかり惚れた海外ドラマってのが

『ウォーキング・デッド』なんです。

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え、何、左のほうにいるシワッシワのBBA‥。

てか、ゾンビじゃん!
オカマキャラもファッション女も出てこないじゃん!

2CHOPOで紹介するドラマじゃないか。
でも、アタシはこじつけますよ。

ノーパンスウェットの股間を、前で踊るお兄さんの尻にこじつけるようにな!(日本語間違ってる)

まず、この『ウォーキング・デッド』ってのは、アメコミが原作のドラマです。
アメコミ原作といえば、天才ゲイ監督のブライアン・シンガーさんが手がけた『X-MEN』シリーズ。
人間vsミュータントの構図に、ストレートとセクシュアルマイノリティの状況が喩えられていたように、アメコミの特殊設定にはマイノリティなどの社会問題がメッセージとして込められていることも多いんですね。

この作品は、そんな原作をあの『ショーシャンクの空に』(IMDb全映画作品で不動の一位!)の監督・脚本を手がけたフランク・ダラボンがドラマ化したものです。(最新シーズンでは降板)

もうね。『バイオハザード』シリーズとは性根が違うんだから。

あ、あれもいいのよ。いつも布きれ一枚で登場するジョボビッチ(名前も濡れ濡れ)が、口から肉棒をニョロニョロ出す中島美嘉ちゃんと戦う、エログロアクション映像集としては笑えるしね。

でも、『ウォーキング・デッド』は、とことん人間ドラマを描いてる作品なの。
ゾンビという「生と死」の境界線にいる存在を通して、恐ろしく深く、人間と社会というものが描かれてるんです。

ここでまた話を飛ばしちゃう。

アタシの古くからの友人に、メイミーさんという女がいます。
彼女は、アタシがその昔やっていたUPPER CAMPというお笑い女装集団の、数少ない女性ドラァグ・クイーンメンバーで、バイセクシュアル。
女子と同棲していた頃には、レズビアンやバイセクシュアル女子を対象にしたオカズ雑誌『カーミラ』の編集長としても活躍していました。
彼女は、その後男性と結婚。アタシや2CHOPOライターのモウシン、Gold Fingerのチガさんもレストラン披露宴に出席し、さだまさしの『関白宣言』をご両家の前で新婦メイミーのほうが歌う、という素晴らしい演出に震えたものです。

そんな彼女が今、精力的に取り組んでいるのが、
「ZOMBIENA」というゾンビ集団の主宰なのです。

ちなみにハロウィンということで、
新宿2丁目のAISOTOPE LOUNGEで

「女子限定ゾンビウォーク by GF Bloody Halloween night」
という、イベントも開催されるようですよ~。ゾンビアン!

彼女自身は伸び伸びと楽しんでいるだけなのでしょうが、
アタシはずっとその生き様にシンボリックなものを感じていました。
彼女は正真正銘の「キワモノ」なのだと!(ってアタシが言うな)

キワとは際、境界線です。
正常と異常の際、男と女の際、異性愛と同性愛の際、
彼女はいつも際で遊んでいたい人なんじゃないかと。
そして、今の遊び場は「生と死」の境界線上なんだわ(と、勝手に意味づける)。

ドラマ『ウォーキング・デッド』でも、
ゾンビモノならではの「愛する人がゾンビになったら、簡単に殺せるものなのか」といった、人間とゾンビの境界線はもちろん、
極限状態における集団同士が対立する中で、敵対グループの人間は殺すべき存在かという境界線も出てきます。

ただ生きていれば人間と言えるのか、
心を無くしたり口を閉ざす選択をしてしまった時点でそれはゾンビと変わらないのではないか、という視点からも「生と死」の意味を問う深く緻密なストーリー。

歩きながら死んでいるのは、ゾンビだけとは限らないのよ。

アタシもメイミーさんほどではないですが、キワモノです。とくにキワモノAVとかは大好物です(聞いてない)。

境目をよく知らない人びとには、境目の向こう側も見えません。
国も、法も、宗教も、そして性も、
境界を作って生まれる連帯感は、「向こう側」への偏見と排斥も生み出します。

愛する性もいろいろ、体と心の性の組み合わせもいろいろ。
性の境界線が絶対ではないことを思い知っているアタシたちだからこそ、
ものごとの境界をよく知らないせいで、やみくもに「向こう側」への不安や嫌悪、怒りに囚われてしまうことの愚かさに、敏感でいたいものです。
本当の虹の色は、6つや7つに分かれてるわけじゃないんだからね。

とまあ、こじつけてみました。

ところでアタシ、『ウォーキング・デッド』の登場人物、ボウガン使いのダリルたんに惚れちゃったの。

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演じてるのは、レディー・ガガの『Judas』のユダ役もやってるノーマン・リーダス。
ダリルになら、ゾンビ婆扱いで脳天ぶち抜かれてもいいわー。はあはあ。

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