Vol.5 ヒゲでマッチョなのにカワイイ!? 大人気レディビアードにインタビュー!

 

11088b1094f03f2c20af00ff5e6c362e

今回はヒゲ女装外国人パフォーマー・レディビアードへのインタビュー!

「元気プレゼンター」を自称する彼の活動内容はアイドル、プロレスラー、歌手、声優、などなど、とにかく人に元気をあげること! そんな彼は、女装、ひいてはLGBTについてどのような視点を持っているのか? オーストラリアで生まれ育ち、香港で6年を過ごし、そして今日本に住んで1年半。そこで培われた、グローバルな観点を伺ってみました。

どうぞお楽しみください。


5d291381c8db590d7ed988201c3ae6fd

―あなたが女装を始めたのはいつですか?

わたしが女装を始めたのは14歳の時。ある日、学校の制服で参加するパーティを友達が主催したことがあって、そのとき僕は自分のではなく、姉の制服を着て参加したらウケるんじゃないかと思ったんだ。

姉の制服を着てパーティーに着くと、友達はみんな僕の格好に大ウケで、その夜はパーティの最初からすぐに盛り上がったんだ(普通はパーティの最初というのは
「ウォーミングアップ」期間でみんな気楽な感じでリラックスしてるし、そういうことは滅多にないのだけど)。

―家族は女装について何といいましたか?

わたしが女装をしたこの瞬間から、わたしの家族は大ウケで、大喜びだったよ!

―それはすごい! 女装はどんな面白さがあると思いましたか?

そうだね、こういう自分を見て気づいたのは、自分のようにいかにも男っぽい男が、女物の服を着るだけでそれはものすごく面白くて、周りの人をハッピーにさせるってこと。

しかも、みんなが喜んでくれたらそれは二倍になって自分に返ってくるし、もちろん僕自身もとても楽しめる。そう、わたしが女装をしたら自分も含めて周りのみんなは楽しい気分になったんだ。

―今、女装パフォーマーとして活動している原点が14歳の頃にすでにあったんですね!

そう! そうしてたまに女装をしつつ20歳くらいになって、女装が社会的にもアドバンテージを持ってることに気づいたんだ。わたしのように、派手でエキセントリックな人物に対して、社会のどんな場面でも、素早く反応する人々がいるってこと。

―それは、どんな人たちですか?

要は……こんなわたしを理解するために時間と親近感が必要な人々と、とにかく何であろうと僕を嫌いになる人々がいる。 人前で女装をしてみせることで、様々な社会に属する人々が、どんな人々と付き合っているのかがわかるんだ。

例えば人々が集まる場所の入り口に僕が近づく、そうすると、すぐに怒りをあらわにする人と、「なんか楽しそうな人が来たな」と思う人がいて、瞬時に僕はその違いが見抜ける。後者の人たちはちょっとためらいがちだ。でも、僕にはわかるんだ、きっと、うちとけられると。でもただちょっと混乱して、僕を試したいだけなんだ。

女装をすることで誰が僕の味方なのかすぐにわかる。こんなこと(女装)をすれば、祖国オーストラリアではとても危険な目に遭う。自分が格闘家じゃなかったら、こんなこときっと耐えられなかったと思う。オーストラリアの若者たちは、何かにつけて喧嘩をふっかけてくるからね。

3c5158937a01755dd4fddad86d93ce00

―なるほど。ところで、女装をしていることで、あなたは必ずと言っていいほど「ゲイ」または「オネエ」かと尋ねられますが、どう感じていますか?

正直、ちょっと変な感じだよ。最初香港で女装した時、周りから口々にゲイかと尋ねられてみんな本気で言ってるの? と不思議だった。あれから何年もアジアで過ごして、アジアの文化では普通だと分かるけど。

西(英語圏)でこんな質問をしたとしたら、愚かしいと思う。西はすごく権利の平等に厳しいし、個性も尊重する。もし自分がゲイだったとしてあなたに何の関係がある? と思うな。

―あなたはLGBTに対してすごく自然体であるように思えます。 それはどうしてですか?

わたしは大学の時ドラマスクールで過ごしたんだけど、その時の仲間の役者、俳優、アーティストたちの多くがゲイだったよ。

このスクールは、オーストラリアの中でも特に前向きな雰囲気があったと思う。みな強い個性があるから、人と違うことやクレイジーなことは不思議じゃなかった。以前働いた職場にいた男性のうち半分はゲイだったし、今でも沢山ゲイの友達はいるよ。

―そういえば、5月23日にアイルランドで同性婚が認められました。これについて、どう思いますか?

そもそも何で同性婚が問題なのかわからないよ。誰とパートナーシップを築くかは、彼たちの関係の問題で、他人には関係ない。神様はゲイが嫌いだという意見がクリスチャンの中にあるけれど、それならなんでゲイを作ったっていうんだい? LGBTとして生まれついたことは、その人自身が選択したわけじゃない。うん、まったく普通のことだと思うよ。

―あなたの女装パフォーマンスは従来のLGBTの枠にはまらないものだと感じています。そこであえて聞きますが、LGBTの人からどんな反応がありましたか?

まず、日本のみんなが自分のことをカワイイと好きになってくれたのは、ビックリしたよ。私はトランスジェンダーの人が真剣に取り組んでいる女装をジョークにしてしまっているから。

他の国でも、好意的に受け入れられることは多いけど、ポリティカル‐コレクトネス(political correctness―人種・宗教・性別などの違いによる偏見・差別を含まない、中立的な表現や用語を用いること、社会から偏見・差別をなくしていくこと)に特に厳しい西の人からは、あるメールを受け取ったよ。「男が女装することは面白いジョークです、とレディビアードが言うから、いつまでも女装が当たり前の世の中にならない」とね。

―それは対応が難しいですね。あなたはどうしたんですか?

できるだけ真摯にメールを返したよ。でも、どんな事柄でも、全員を喜ばせることは不可能で、必ず誰かが不快な思いをしたり、傷ついたりする。どんな場所にも自分のことを受け入れられない人はいるから、自分の信じることをするだけだよ。

―あなたが女装を通して人々に伝えたいものは何ですか?

僕が14歳の時に感じたあのパーティや家族が笑ってくれたその幸福感を、今、僕を見てくれる人々に伝えられたらと思ってる。そのためには、できるだけ「中の人」の自分は男らしくあろうと思うし(その方がKAWAIIスタイルの時のギャップが引き立つからね)だからこそ可能なかぎり、とびきり「ガーリィ」なスタイルで伝えたい。

僕を見てくれるみんなに大爆笑と、堂々と生きる生き様と、ファンタジーを夢見る気持ちと、そして、日常生活のなかではともすれば摩滅して忘れてしまいそうな、誰でも子供の頃は夢中になったあの気持ちを。

―最後に、2CHOPOユーザーにメッセージをお願いいたします。

何か行動する時に周りの人の反応を怖がらないで。行動を起こさないことも自分の選択だけど、やりたいことは、ぜひしてください! 他の人に危害を加えない限りね(笑)

ec80f6017a1de91c29e026e341db0d4a

 


いかがでしたか? 私は話を伺いながら、ポリティカル‐コレクトネスの偏見、差別をなくしていこうという意識が深く根付いていることに驚きました。

それはある側面において、過剰な言葉狩りを生んでしまいがちですが、人は人、自分は自分、と個人が自立した社会と自分の志向とは異なっていても個々の人格を認める寛容さが、バランスを取っていく上で肝要なのだと感じました。

日に日にLGBTを取り巻く状況が大きく変わる現代、自分の軸をしっかりと持ち、未来を見据えていきたいですね。

Top