第2回私の中に私がいるわ モテない女装のアタシ

やだ何なの、もう次の回って。
まだヒゲも剃ってねーっつの!(だから原稿書くときはテンションだけ女装スイッチでいいんですよー)

いやしかしね、初回にさっくり「女装のゲイおじさん」と自己紹介もしましたけど、これ、多分「オネエ系」の中でもややこしいポジションなんですよ。もちろん抱えてる問題はそれぞれにあるんですが、一般の方が見ただけじゃ、すごく意味が分かりづらいだろうなと。

ノンケ男女さんの観光客も込みの2CHOPOだと思うので、かるく説明しますと、性的マイノリティにはざっくり「自分は、男か女か」ってテーマと、「イケるのは、男か女か」ってテーマがあるんです。
トランスジェンダー/セクシュアルは前者、ゲイ&レズビアン&バイセクシュアルってのは後者に重きをおいた単語なのね。

たとえば性同一性障害の方からは、子供の頃から「自分には何でチンコが/オッパイがないんだろう」と違和感を覚えていた、というエピソードをしばしば聞きます。

アタシの場合は、自分のチンコに残尿感はじめ、(ビッグサイズ募集だらけの出会い系を見た時の)物足りない感、(それでも頑張った後の)よくやった感、など、さまざまな感情を抱いてきましたが、あることへの「違和感」ってのは全くなかったのよね。
まあぶっちゃけ、違和感どころか、大好きだ! 君が大好きだ! と声の限り叫びたいくらいですよ。むしろ、しまっておけないくらいの大物ダイアモンドでも良かったわ。

ということはアタシは自分の男の体に納得してる男性同性愛者なんだから、なんでわざわざ女装なんてするの? 女装ってのは女性になりたいからするんでしょ? というツッコミもごもっとも。

うーん。確かに男の体への違和感はなかったんだけど、精神面では十分すぎるほど、いわゆる「女性的」とされるものがあったのよね。

これまたベタな話ですが、子供の頃はミニカーじゃなくてリカちゃん人形が欲しかったし、野球やサッカーじゃなく、テニス(お蝶夫人)やバレーボール(鮎原こずえ)に憧れました。特撮ドラマでは主役のヒーローやお飾りのヒロインよりも、悪のヘドリアン女王に興奮し、アニメでは、キューティハニーの強さと七変化能力にメロメロ。今思い返せば、本当に分かりやすくオカマセンスを持った、「女装有望賞」をあげたい小学生男子だったと思います。

その上、今と変わらず、高い声でピーピーしゃべるし、動作もクネクネしてたんで、目ざといクラスのガキども(ってアタシもガキ時代ですけど)に、バレバレだったんでしょうね。
黒板に書かれた日直当番のアタシの名前を「オカマ」と書き換えられて、「違うもーん!」とか言いながら必死で消したのを覚えています。(違わなかった。ガキども大正解よ!)

「男の子はこうあるべき」という標準から外れていた自分は、思春期あたりから必死に自身の中の女性性を抑えるようになりました。「女っぽさ」を恐れ卑下したんです。

そう、思春期のアタシは‥いやボクは(笑)、

オネエが嫌いだったんです!
マジだぜ!!

20数年後の自分が、午前中のテレビに女装で出て「いやーん!」とか言ってるのを観たら、冗談じゃなくショック死してたかもしれないわね。

そんな抑圧された田舎の中高生時代を終えて、都会でのキャンパスライフから、アタシの中の女性性がまた花開きました。

ゲイの友達とオネエ全開でしゃべるの超楽しい!
周年パーティの余興で女装したら妙に気持ちいい!

てな具合に。「オネエ言葉」や「余興の女装」として、自分の中にある抑圧した女を噴出させはじめたんです。

でも、アタシが生きてきたのは男が好きな男たちの世界。つまり「男らしい男」がより売れるのがゲイシーンなんです。

そこで女装までするほど「女らしい男」になって目立つってのは、まあ究極の非モテ行為なわけですよ。
モテ服だらけのCancamモデルたちが猫撫で声出してる中に、丸坊主G.I.ジェーンのデミ・ムーアが「このチ○ポ野郎!」って叫んでるようなもの。方向間違ってる! そらモテへんわ。普通の男は萎えるわ。

舞台の上で、ヘドリアン女王やキューティハニーの気分が味わえて、念願かなった分、色キ○ガイのゲイ男性としては、どんどん非モテな行為をしていることも分かる。
何も知らない初デート相手に週末の予定を聞かれても、素直に「女装だぜ!」とはなかなか言えない。だってその一撃で過半数の「フツーのゲイ」は絶対ひくもん。アタシも相手が女装ってのはちょっとひく(まさかの裏切り)。だって男っぺー男が好きなんだもん!
そんなアンビバレントな思いが、「ゲイ女装」にはありがち、なのよね。

ところが、アタシの場合は、女装が完全にお仕事になっていったことで、自分の中に不思議な変化が生まれたんですよ‥。

(デロデロデロデロ ←サスペンスタッチのジングル)

次回、恐ろしい迷惑情報込みで、「アタシの中の男と女」の不思議に迫ります!

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