第31回 52万5600分 どう数えて 生きてゆく?

「人は誰でも、心の中に自分だけの火を持っている‥」

(鬼火とかヘビ花火とか‥)

と、江口兄貴が熱く語るキリンFIREのCMでバックに流れている曲。

Five hundred ウンタラカンタラウンタラカンタ~ラッ♪(ちゃんとヒアリングすれ)

あれが、今週の2CHOPOのテーマ、

ミュージカル『RENT』の代表曲『Seasons of love』です。

バブリーナ&キムビアンカW編集長をはじめ、

今週は2CHOPO各ライターさんがそれぞれ『RENT』レビューをお書きになるということなので、

舞台の詳細はそちらをお読みください!(と投げる)

RENT × 2CHOPO ミュージカル『RENT』レポート@日比谷シアタークリエ

ちなみに

RENT × LGBT Pride Week
と題されたイベント週間では、

アタクシめも

11月20日(火)19:00~ LGBT Pride Week トークショー

11月24日(土)13:00~ LGBT成人式によるファッション・ショ-&トーク

11月24日(土)18:00~ “Campy!”による恋愛相談塾(肉乃小路ニクヨさんと!)

11月25日(日)13:00~ ライブ・パフォーマンス決勝

としつこく4回も出演予定ですので、皆さんぜひ、生でブルボンヌのシワやニクヨさんの背毛を観に来てくださいね。ついでに『RENT』も観られるし。(逆、逆!)

てか、東宝さんみたいな歴史ある劇場が、興行の際にこうしてLGBTテーマでのイベントを組んでくださること自体、日本のシーンも開けてきていることを実感しますよ。

まだまだ日本では、LGBTやHIVの問題を描いたこのミュージカルが、

当事者よりも、ミュージカルオタクのねえちゃんたちに熱狂されているのも事実。

それはそれでありがたいことだけど、

原作者のジョナサン・ラーソンらが生み出した『RENT』は、

きっと当事者にだってもっと受け止めて感じてほしいと思ってるはずなの。

ほんの15年前の20世紀末、HIVで仲間たちが次々に死んでいった時代を生きた、

海の向こうの仲間たちの魂の叫びを聴きつつ、

今の日本で動き始めた、大企業が「LGBT」をお客さんだと公に認めたイベントを形あるものにできるこの機会、

皆様ぜひ『RENT』とLGBT Pride Weekを、お見逃しなくよ!

カモン、ジョイナス!(あやしいサイトの勧誘じゃないゾ)

実はアタシ、クリス・コロンバス監督の映画版『RENT』は、

Blu-rayも持ってるし、それなりに感動したんだけど、

ミュージカル版を観たのは初めてだったの。

生、やばかったわ。

まず、前から大好きだったソニンちゃんが、ここまですごいミュージカル女優になってるとは本当に恐れ入りました。

とくに、モーリーンの一人牛ネタ語りの凄みは、

白石加代子先生の百物語や、浅野温子姐さんの因幡の白うさぎ(ミラクルひかるちゃん)

の域です!(そんな褒め方でいいのか)

そして、目の前で繰り広げられる圧倒的な生歌のパワーに、2部はひたすら泣きまくり。涙腺のガバガバ化が止まらないの。

一番感情移入したのは、当然、ドラァグクイーンのエンジェル。

田中ロウマちゃん(タナカグチ・ウマだと思っている方がいるでしょうが、タナカ・ロウマさんですよ!)の

見事なクイーンっぷりにウヒウヒしちゃう楽しい登場シーン。

からの、

そんな彼を理解してくれるトム・コリンズとの愛、

そして哀しくも美しい最期の演出まで、まるで他人事とは思えませんでした。

ピエロはいつだって、誰よりもはしゃぎ笑って、誰よりも哀しみを抱えて、

そして誰よりも先に去ってしまうの。

そして、残った人たちに希望を贈るのが仕事。

ところが、目を真っ赤にした「感動して泣きまくるなんてピュアでかわいいアタシ」気分も上々なブルボンヌの横で、

肉乃小路ニクヨさんったら「ごめんブルさん、アタシあんまり感情移入できなかったわ。よく分かんないし、登場人物もわがまますぎるんだもん」

と思いっきり台無し発言しやがったわ。ギギギ‥。

まあ、仕方ないのよね。

まずミュージカルってのは歌詞が聴き取りにくいのに、歌詞でストーリーを運ぶから、

初見で細部まで把握するのは難しいもの。

とくにこの『RENT』に関しては、時代背景を知らないと理解しにくい。

主要人物の多くは、まだ「死の病気」だった時代のHIVキャリアたち。

しかも、アーティストやSMダンサーなど、家賃(RENT)も払えないような日々を送ってる。

そんな、金銭的にも身体的にもいつ自分の命が終わるかもしれない中で生きてる彼らの考え方は、

立派な劇場で観てるアタシたちからは、わがままで衝動的すぎるように感じられちゃうのかもね。

このあたりの時代性やLGBTシーンとのリアルなつながりに関しては、公式パンフレットに寄せられた北丸雄二さんや石川大我さんの解説文を読むと、より理解できるかと思います。

代表曲『Seasons of love』で歌われる時間がなぜ、

人の一生といった漠然としたものではなく、

52万5600分

というたった1年なのか。

彼らにとっては、それほどまでに残された時間は頼りないものであり、

1年の中の四季の移ろいに、人生のドラマを託さなければならない貴重なものだったんだと思います。

人はリアルに死を前にしたら、より自分をさらけだし、わがままになりたいものじゃないかしら。

こちらの記事をご覧下さい。
ナースが聞いた「死ぬ前に語られる後悔」トップ5

もっとも多い後悔は、

「他人に望まれるように」ではなく、「自分らしく生きれば良かった」というもの。

彼らは必死に、自分らしく命を燃やしていたんです。

今の日本に生きる私たちは、

ユニクロの服を着て、松屋のゴハンを食べていれば、

凍えることも飢えることもなく、

たとえHIVポジティブになっても、きちんと治療を受けていれば

ほぼ死ぬこともないでしょう。

でも、そこにありがたみや意味を感じないで、ただ生きることは、

たとえあと50年生きられたとしても、

彼らが悩みながら叫びあがいた、52万5600分にも劣るのかもしれません。

52万5600分 どう数えて 生きてゆく?

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