第123回 【おすすめ映画】『彼は秘密の女ともだち』

今回は映画のご紹介です。
今、イチオシのLGBT映画! まずは予告編をご覧ください。
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LGBT映画と書きましたが、もうそんなふうにくくる必要もないのだと思います。
この映画のキーワードは「自分を取り戻す」です。
クレールとローラは、幼なじみで親友。成長し、それぞれ男性と結婚します。しかしローラは、夫と幼い子どもを残し病気で亡くなってしまいます。悲しみにくれるクレールとローラの夫・ダヴィッド。ある日、クレールがダヴィッドの家を訪ねると、そこには女装したダヴィットの姿が! 驚きのあまり絶句するクレール。しかし、ふたりはしだいに打ち解けていき……。
2014年に同性婚が法制化されたフランスですが、映画の中では根強いトランスフォビア(トランスジェンダー嫌悪)も描かれています。最初はクレールも当惑し、無理解からダヴィッドを傷つけてしまいます。
本作ではセクシュアリティの「違い」を意識して超えていくのではなく、人と人とが近づいていくことが丁寧に描かれています。私はシスジェンダー(心の性と身体の性が一致している人)なので、トランスジェンダーの人の苦悩が、肌感覚では理解できません。それでも「他者から性のあり方を決めつけられたり、否定されることの苦痛」が、観ていて強く伝わってくるのでした。
そしてもう一点、私が注目したのは、少女時代から続くクレールとローラの親密さ。
名付けられない関係性、思春期の揺れ動いていく心。濃密なシーンにどきどきしてしまいました。間違いなくこの映画の見どころの一つです。
ダヴィッドが生まれて初めて女性として出かけるショッピングのシーンは、観ていてワクワクしてしまう。作品中のファッションやインテリアにも注目です。
そしてラストシーンは必見! 美しい映像が胸に迫ります。私はひろこさんと鑑賞していて、「そうきたか!」のあとに、涙がこぼれ落ちました。
自分らしく生きるか否かは、選択と決意、そして少しの勇気。

『彼は秘密の女ともだち』は、「自分らしく生きることに葛藤がある」全ての人に観てほしい映画です。

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LGBTにも人気の『8人の女たち』で有名なフランソワ・オゾン監督の最新作。今作も期待を上回る素晴らしい一本でした。
HPに掲載されている、素敵な著名人の方々のコメントを読むとますます観たくなると思います。
『彼は秘密の女ともだち』はシネスイッチ銀座、新宿武蔵野館その他全国にて好評上映中です。お見のがしなく!

 

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