第125回 ミュージカル『RENT』が開幕!

9月8日(火)、ミュージカル『RENT』が開幕しました!
さっそく私も観に行ってきましたよ。
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『RENT』は、1996年にオフ・ブロードウェイで生まれた作品です。上演開始後わずか2ヶ月でブロードウェイに進出。その後は映画化もされ、今でも世界中で上演されている大人気ロックミュージカルです。
日本では1998年の初演以来、再演を重ねています。私は2008年のバージョンから毎回拝見していますが、今回の舞台はとくに良かったように思います!
というのも、ここ数年で日本社会が大きく変わったことが、日本版『RENT』に影響しているように感じたからです。よく「アメリカで起こっていることは、30年後に日本でも起きる」と言われますが、作品を通して、アメリカで起こったこと、今日本で起きていることについて考えることができます。
この作品のテーマは、格差社会、資本主義、貧困、ホームレス、薬物、HIV/AIDS、LGBTへの差別など多岐にわたっています。グローバル資本主義経済により、日本でも「格差」が拡大し、貧困の問題は以前よりも身近に感じられるようになっています。
主人公たちが「去年の家賃(RENT)をどうやって払う? 払えるわけがない!」と歌うのは、持たざるものの悲痛な叫び。以前は同じ持たざるものだったベニーが、資本家の娘と結婚したためにマークたちのもとへ家賃(RENT)を取り立てにくるようになるというのも、皮肉な話です。モーリーンの抗議のパフォーマンスや、2幕でのマークの仕事をめぐる葛藤にも、貧しいアーティストの若者たちが、行き過ぎた資本主義経済に苦しんだり対抗したりする様子が見事に表現されています。
今回、とくに心に響いたのは「No Day But Today」の歌詞とメロディーです。HIVの自助グループにつながった人たちの「今日を生きる」覚悟。ありのままの自分を受け入れることの難しさ。生きづらい社会の中で、同じ悩みを抱える人たちのつながりが力強い歌声で表現され、舞台の見どころのひとつになっています。
私は『RENT』では「Seasons of Love」が大好きで、私たちの結婚式でも歌ってもらったくらい!なのですが、今回は「No Day But Today」にやられました! 日本ではまだまだセルフ・ヘルプ・グループ(自助グループ)は一般的ではないかもしれませんが、エンジェルたちがつながっていたような自助グループが、今後確実に日本にも必要になっていくだろうと思いました。
個人的な体験からも、ミミにはとても感情移入してしまいました。愛する人に素直に心を開けず、すがりついてしまう。薬物をやめなくてはと思っても、自分をどうすることもできず、もがき苦しむ。ミミ役のSoweluさんが、あやういミミの心の様子を熱演していました! レズビアンカップル役の上木彩矢さんと宮本美季さんの歌や、IVANさん演じる儚く美しいエンジェルにも注目です。
*ダブルキャストの役もありますので、配役の詳細はHPをご覧くださいね。
ここ数年の日本社会のネガティブな変化を通して、この舞台のテーマがより迫ってくるように感じられたわけですが、別の側面も。作品のテーマのひとつである「LGBTへの差別の問題」。これに関しては、日本でも少しずつLGBTの可視化が進み、行政も人権課題として取り組むようになってきている、という嬉しい変化です。

そのポジティブな変化のために、『RENT』は力を貸してくれています! 日本版『RENT』がLGBTのカミングアウトフォトプロジェクト「OUT IN JAPAN」をサポートしてくれていることを、とても嬉しく思っています。

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エンジェル役のIVANさんもOUT IN JAPANに参加しています。

「演劇は時代を映す鏡」です。2015年秋、絶対にオススメの舞台です!
ミュージカル『RENT』はシアタークリエにて、10月9日(金)までの公演です。
大阪公演は10月16日(金)~18日(日)、森ノ宮ピロティホールにて。
公演チケットはすでにだいぶ埋まっているようなのですが、シアタークリエではエンジェルシート(当日抽選席)もあるそうですので、ぜひ劇場に足をお運びください!
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