第115回 同性婚の婚姻届を認めない公務員が、なぜかアメリカで大人気に!? その理由とは

 

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まきむらよ。

毎週金曜、世界のニュースから性を考える時事コラム「まきむぅの虹色NEWSサテライト」をお送りしております。

今日のテーマは「同性婚の婚姻届を認めない公務員が、なぜかアメリカで大人気に!?」です。

同性婚法制化が決まったアメリカで、それでも同性婚の婚姻届を拒否し続けている公務員、キム・デイヴィス氏。そんなデイヴィス氏がなんと、いまアメリカのネット上で大人気になっているんです。

いったいどういうことなのか、

★ 今アメリカでホットな公務員、キム・デイヴィスって?
★ アメリカのネット民が作ったネタ画像まとめ
★ ついにゲームにまで登場、キム・デイヴィス氏本人の反応は……

以上の流れでお送りします!


★ 今アメリカでホットな公務員、キム・デイヴィスって?

アメリカ・ケンタッキー州で公務員として働く、キム・デイヴィス氏。同氏はこのあいだまで、役所を離れて拘置所にいました。「神は同性婚を認めない!」と主張し、個人的意見で同性婚の婚姻届を却下。裁判所からの命令にも従わなかったため、法廷侮辱罪で6日間捕まっていたんです。

お役所でのデイヴィス氏の様子は、BBCニュースが日本語吹き替えでレポートしています。


「結婚許可証は出しません」
「なぜですか?」
「出さないから出さないんです」
「誰の権限で?」
「神です」

淡々と訳すBBCの通訳者さん、いい味出してるわ……。

もちろん、信じたいものを信じる自由は誰にも認められるべきです。だけれど、それを公務員が仕事に持ち込んでいいのかどうかは、非常に微妙な問題でしょう。日本ではこれらをそれぞれ「信教の自由」「政教分離」って言ったりしますが、アメリカでも「自分の宗教的信条と仕事とは区別しろよ」って声が上がっているようです。

ということで、アメリカではキム・デイヴィス氏についてのネタ画像が流行中です。アメリカのドラマや映画から、「自分の信条とは違うもののために働く人物」をピックアップして、こんなネタ画像がつくられているんです。


★ アメリカのネット民が作ったネタ画像まとめ

▼映画「サンタクローズ」スコット
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「サンタを信じていないけど、サンタの仕事はやってるぜ!」

▼映画「ゴーストバスターズ」ウィンストン
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「お化けを信じていないけど、お化け退治をやってるぜ!」

▼映画「スターウォーズ」ハン・ソロ
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「フォース(※)を信じていないけど、給料分の仕事はするぜ!」
※フォース……「スターウォーズ」シリーズに登場する不思議な力。

▼ドラマ「Xファイル」FBI特別捜査官・スカリー

「UFOは信じていないけど、FBIで超常現象捜査をやってるぜ!」

なんともアメリカらしいノリで盛り上がるみなさん。特に一番最後の「Xファイル」画像は、スカリー役の女優さん本人もツイッターで「ブリリアントね!」と公認していたようです。


★ ついにゲームにまで登場、キム・デイヴィス氏本人の反応は……

キム・デイヴィス氏をネタに盛り上がる人々の勢いはとどまるところを知らず、なんか「拒否るキム・デイヴィスにひたすら婚姻届を出し続けるゲーム」とかが制作されるくらいの勢いになっています。

そんな中でも、本人は一貫して「同性カップルからの婚姻届は受理しない」と主張しており、「たとえそれが自分の子どもの結婚でも認めない」のだそうです。

デイヴィス氏本人はABCニュースのインタビューに答え、こう語っています。

「誰かが私について言うことは、私のあり方を決めるものではありません。それは人それぞれの意見ですし、それぞれに正しいのです。

私はヒトラーと呼ばれました。私は偽善者と呼ばれました。私はホモフォブ(同性愛嫌悪者)と呼ばれました。私は、私自身が口にしたことのないような名前で指さされるようになりました。それで私は傷つきませんけどね。

ただ、いちばん私が傷つくのは、『お前は神に愛されない』とか『お前の神はお前のことを不満に思っている』とか言われることです。私が偽善的なキリスト教徒だと言われることです」

キム・デイヴィス氏は「私にもゲイやレズビアンの友人がいる」としたうえで、「それでも私たちはお互いに敬意を払っている」といいます。全てのキリスト教徒が同性愛に否定的というわけではないのですが、キリスト教信仰と多様な性のあり方をどう折り合いつけていくかっていうのは、以前の記事「アメリカで議論、ゲイとして生きる自由vsゲイを拒否る自由」でもご紹介した通り、たいへん難しい問題なのよね。

「信教の自由」と「政教分離」を掲げる日本でも、いつか同じようなニュースが流れる日が来るのかしらね。そしてその時、私たちひとりひとりは、どのような答えを出すのかしらね。

ということで、読んでくださってありがとうございました! また来週金曜日にね。まきむぅでした◎

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