第15回 同人作家さんと税金

 

こんにちわ。LGBTフレンドリーな会計事務所、税理士の上村大輔です。

みなさん、同人誌即売会…コミケって行ったことありますか?夏と冬には東京ビックサイトで大きな開催があり、それ以外でも毎月のように全国各地で開催しています。はじめて行った方は、その規模の大きさ、人の多さ、熱気(夏は特に……笑)に驚くでしょう。そしてすごい勢いで商品が売れていくことにも。ここでしか買えない感があり、購買意欲をそそるのでしょうか。

そんな同人誌の世界は、LGBTにも縁が深いですね。綺麗系の男同士のBL(ボーイズラブ)はもはや同人誌(商業誌もですが)の超巨大なジャンルになっていて、BL専門のコミケもあるくらいですし、BLのリアル版? 筋肉版?ともいえる(←解釈が間違っていたらすみません……)ゲイコミックも、デブ専系、ケモノ系、野郎系など細分化されているようです。そして女性同士の恋愛を描く百合系コミックも根強い人気があるそう。LGBT当事者で同人活動をされている方もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか……。最近、当事務所では同人作家のお客さまが増えてきておりまして、この分野の専門を目指して日々、勉強中です。そして、同人作家さんの気持ちや税金面でのニーズを知るために(?)来年はコミケ出展を目指します!(税理士としての方向性大丈夫かな……笑)。という訳で今回は「同人作家さんと税金」、整理してみました!

1.同人誌の販売方法いろいろ
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同人作家さんといえば、執筆した作品(マンガ、小説など)を販売するわけですが、いろいろな販売方法がありますよね。メインは同人誌即売会、いわゆるコミケです。この会場での売買は、基本的に現金取引になっています(将来はクレジットカード決済や電子マネーが使えるようになるのかな……)。コミケで販売されていた本の一部は、「とらのあな」や「まんだらけ」などのショップでも購入できます。作家さんとしては、置かせてもらって売れたらショップから手数料を引かれて入金がされるというような感じになります。また最近では、電子書籍などでの販売や、ホームページを開設してそこで直接販売するケースもあるようですね。

2.同人活動って申告必要なの?~20万円の壁~
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そして、これらの売上から経費(印刷製本代、制作関係費、売り子さんへの報酬支払等)を引いた額が所得(利益)になり、それに対して税金がかかってきます。趣味でやっていて、経費持ち出し(赤字)のケースも多いとは思いますが、中には作品が時流に乗って? 思いのほか儲かってしまった方もいるでしょう。利益が出た場合は原則申告をしなくてはいけないのですが、現金商売なので分からないから……と知らんぷりをしている人(そもそも申告が必要な認識がない人)もいるかもしれません。

一方、「合法的な無申告(?)」を目指すケースもあるようです。それが20万円の壁。給与所得者(サラリーマン)の場合、「年末調整」という1年分の税金を会社が計算して年末の給料の支給の時に精算してくれるという制度がありまして、これで税金精算が終わる方は3月の確定申告をしなくて良い仕組みになっています。この年末調整で済んじゃう給与所得者に限り、給料以外の所得(収入から経費を引いた額)が20万円を超えない場合は、確定申告が不要という措置があります。会社に勤めながら同人活動をしている人(そういう人が多いようです)は、申告が必要にならないために、収入から経費を引いた利益が年間20万円以下におさまるようにセーブすることもあるとか。

【参考】国税庁ホームページ「給与所得者で確定申告が必要な人

でもこの方法、厳密には正しくなくて、所得税(国税)の申告データを元に算出される住民税(地方税)には、実はこの特例はないのです。なので、本来は住民税だけの申告をしなくてはいけないということに……。ここ、同人活動に限らず「20万円の壁」についての誤解が多い点ですので、ご注意を……!

ちなみに、できれば申告したくないと思われる理由には、本業で勤めている会社に同人活動がバレたくない…というのもあるのではないでしょうか。そもそも会社に分かるきっかけとしては、住民税の特別徴収制度(住民税を給料から天引きする制度)が絡んでいます。そこで、確定申告をする際に確定申告書2枚目にある住民税の項目で「普通徴収」というところにチェックを入れることで、同人活動分の収入にかかる住民税については会社に通知がいかないという方法がとれます(ただし市区町村によってはこれが通用しないケースもあるそうなので、事前に確認するとより安心です)。最近では副業OKの会社さんもあると思いますので、そんなに気にしないで大丈夫な方は参考まで。

また、同人活動に専念の方は通常の個人事業者さんと同じで、青色申告をした方がお得でしょう。この辺の話はまたの機会に。

3.同人活動とマイナンバー!?
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平成28年から始まる「マイナンバー制度」。国民一人一人に割り振られる番号のことで、まずは税や社会保障に利用される予定です。同人作家さんの場合、コミケでの販売は現金商売なのでマイナンバーが関係してくることは今のところないでしょう。委託販売やネット販売においても、マイナンバーのやりとりが出てくることは基本的にはなさそうです。同人活動で影響してくるのは、出版社やゲームメーカーなどからイラストや作品制作の依頼をうけて報酬をもらっている方などでしょうか。出版社などからの案内に従い、マイナンバーを提示することになると思います。そして提示すると……本業の会社さんに副収入が知れてしまう可能性はあります。その辺は金額などの個別事情にもよりますので、気になる方はご相談を……。あとは大規模に活動されている方で、アシスタントを雇って給料を払う場合は、アシスタントの方のマイナンバーを預かる必要が出てきますね。

いかがでしたでしょうか。

改めて見てみると、同人作家と税金……けっこう奥が深い気がしますね。私も勉強しつつになりますが、今後も継続的に研究していきたいテーマです。気になる点があった方は、お気軽にご相談くださいませ。そして、絵の描き方を教えて下さい……!(笑)

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かみむら会計事務所では、同人活動をされる方の開業支援、経理、税務申告、節税のご相談などを承っております。初回相談は無料ですので、まずはお気軽にお問い合わせください。お問い合わせ内容に「2CHOPOを読んだ」と記載いただけるとスムーズです。

 

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