パートナーシップ証明書がすべてじゃない!!同性カップルが知っておくべき「民事信託」Q&A

 

2015年11月5日から始まった東京都渋谷区の「同性パートナーシップ証明書」交付開始のニュースが広く注目を浴びています。

行政が同性カップルを認めたという一歩はとても喜ばしいですが、同性婚そのものが認めれていない現在、残念ながら財産面などで法律上の保護は認められていません。

そこで過去2CHOPOで同性カップルに向けに「信託」の重要性をお話いただいた司法書士法人ソレイユさんに、改めてパートナーシップ証明書では補えない部分を補完してくれる「民事信託」とはどういったものなのか、Q&A方式で解説していただきました!

お答えいただいたのはこの人!
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司法書士法人ソレイユ 行政書士 松田美幸さん

松田さんはねこのて行政書士事務所という事務所も設立されていて、動物愛護福祉活動を通し人間と動物がともに安心して暮らしていける社会作りを支援している一般社団法人ファミリーアニマル支援協会(FASA)の理事もされています。


■同性カップルが知っておくべく「民事信託」Q&A

Qそもそも「民事信託」ってどういう制度ですか?

A 民事信託とは、自分が有している財産の一部または全部を、信頼できる人に託し、たとえば認知症の発症や自分の死亡後といった財産管理ができなくなった後にも、その信託の目的のためにその財産の管理や処分をしてもらえるようにお願いするものです。

信託の機能には様々あり、信託の目的も人それぞれですが、例を挙げると、障がいを持つ我が子のために信頼できる人に財産を託し、自分の死亡後も必要に応じて施設の使用料や月々の生活費を給付してもらう福祉型信託や、認知症になっても孫への教育資金の贈与や不動産の売却ができるようにあらかじめ託しておく認知症対策型信託などがあります。

以前にご紹介したペット信託は、自分が亡くなった場合にも、ペットが路頭に迷うことのないように、あらかじめ信頼できる人に財産を託し、ペットがその生涯を幸せに過ごすことができるようにお願いしておく信託です。

信託の特性の一つに、財産を残したい人に残すことができる機能もあります。「法律外婚姻支援信託」もその一つです。

Q渋谷区などの「同性パートナーシップ証明書」と「信託」の違いは何ですか?

A 渋谷区の「同性パートナーシップ証明書」は公的に二人の関係性を証明することで、これまで同性カップルに対して認められてこなかった諸問題(賃貸不動産への入居や各種の家族割引、緊急治療室への入室等)を改善しようとするものです。ただし、財産関係に関しては今までと変わらず、公的な制度的保証はありません。

これに対して、「民事信託」は私的な財産管理契約で、お互いの財産関係を法律婚とできる限り同様にするものです。たとえば、一方が認知症の発症や病気・怪我によって財産を使用・管理することができなくなっても、もう一方が財産の使用や管理等ができるようにしておくことができますので、日常の場面でも、お互いの共有財産から光熱費や家賃を支払うことができ、パートナーを支えるために働きに出ずにいる方にも安心です。

また一方の死亡後に他方に財産権を取得させる遺言的な機能も併せ持っていますので、二つの仕組みを合わせて使っていただくことで、関係性の面でも財産的な面でも安心して暮らしていただけると思います。

Q「信託」ってどれくらいの費用が掛かるものなんでしょう?

A 信託にかかる費用としては、信託の設計から契約書の作成までの専門家報酬、必要な場合には公正証書代、信託監督人や受益者代理人を設けた場合にはそれらへの報酬が主なものです。

信託財産に不動産が含まれる場合は、別途登記費用や登録免許税がかかります。

民事信託を設計するためには高度な専門知識が必要ですから、専門家報酬は一概に幾らとは言えませんが、信託財産の額に応じて、それなりの金額が必要となります。

Q「信託」を結ぶための条件ってありますか? 年収、年齢など細かく教えてください。

A 信託は契約ですので、判断能力を有していることが必要となります。認知症になってからでは結ぶことができないと考えてください。また、未成年者は受託者になれないとされていますが、他には特に制限はありません。

Q一度結んだ「信託」をパートナーと別れることになった際、「信託解除」できますか?

A 信託は契約ですので、お互いの合意により解除することができます。残念ながら、別々の道を歩むことになってしまったときは、信託契約を解除し、財産分与のように共有財産を分けることになるかと思います。

Q結んだ「信託」の内容を変更して結びなおすことは可能ですか?

A 可能です。お二人の合意があれば、信託契約自体は変更することができます。ただし、その場合も専門家に見てもらったほうが安心です。

Q同性カップルに必要、もしくはおすすめの信託を教えてください。

「法律外婚姻支援信託」という信託のスキームがあります。これは、将来を共に過ごしていくことを誓ったカップル同士で結ぶ信託契約で、それまでの財産はお互いのものとして、これからお互いが得る財産(給与や不動産等)は二人の共有財産として、財産を管理するための方法です。こうすることで、法律婚をしたカップル同様の財産関係が築くことができ、また、自分の死後には相手に財産を残すことが可能となります。詳細は省きますが、ただ遺言によって相手に財産を遺すよりも、信託契約によってのほうが、他の相続人からの影響を受けることなく、安全・確実に相手に財産を遺すことができる可能性が高まります。

将来を誓い合ったカップルにぴったりの信託です。


いかがでしたか? 渋谷区で始まった「パートナーシップ証明書」の交付ですが、全国規模で考えると「信託」という選択は同性婚が合法化されていない現在、とても大切なキーワードになっていると感じます。

2CHOPOでは、渋谷区のパートナーシップ証明書発行がされたこのタイミングでユーザーのみなさんに対し、「信託」に対しての意識調査を行いたいと思います!

みなさまからのアンケート、どんどんお待ちしています。もちろん、アンケート結果は後日公開いたします!!

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▶︎アンケートの回答はこちら

集計期間:12月1日(火)11:00〜12月24日(木)23:59
集計結果発表:2016年1月中旬予定

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【取材協力】

司法書士法人ソレイユ

今回も丁寧に解説していただいた司法書士法人ソレイユさんでは、同性カップルを支援するためのチェッククシートを用意しているので、「民事信託」などに関して興味がある方は、一度シートを確認してください。もちろん、案件ごとに1つ1つオーダーメイド対応なので「制度」そのものの知識がない場合でも安心です。

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