第33回 クローゼットの中のオープンリレーションシップ

 

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ずっと秘密にしていたけれど、実は今付き合っている彼氏とオープンリレーションシップになって一年になる。本当はオープンになった瞬間にツイッターで宣言したいくらいワクワクしたが、ずっと言えなかったのには理由がある。

それを説明する前に、まずは知らない人のためにオープンリレーションシップを紹介したい。簡単に言えば、同意の上で恋人やパートナーではない人ともセックスや恋愛が出来るタイプの恋愛だ。お互いの同意の上に成り立つので浮気とは違う。同意する内容によってオープンリレーションシップの形はいくらでも変わる。違う視点から見れば、一対一の恋愛も同意の上に成り立つ一つの形となる。あまり馴染みのないコンセプトかもしれないが、こうした恋愛の形を選ぶ人はゲイストレート関わらず意外といる。あたしと同じように、周りには秘密にしている人たちも多い。

「ずっと考えてたんだけど、オープンリレーションシップ試してみない?」

昨年末、彼氏とロマンチックなワイン&チーズを嗜みながら、大事な話があると伝えた。3年以上も付き合って、大事な話なんて別れ話かプロポーズかとなるわけで、ビックリしてかまえる彼氏。しかし、オープンリレーションシップと聞いて安心したのか、「別にいいんじゃない」と適当に流された。「別によくないわよ!」オープンリレーションシップはちゃんとしたコミュニケーションと信頼がないと成立しないのに、そんな浮かれた彼氏の態度に腹が立った。そんな微妙なスタートだった。

どうしてこのオープンリレーションシップを秘密にしていたのかといえば、偏見やレッテルが嫌だったからだ。オープンリレーションシップが本物の恋愛ではないと考える人は多い。「お互いを愛していないからそんなことをするんだ!」とか「オープンリレーションシップなんて生き方を選ぶから、普通の恋愛をしているゲイのイメージまで悪くなるんだ!」なんて好き勝手言われ放題。そんな周りの意見が怖くて、後ろ指をさされたらどうしようと不安になった。まるでゲイだったことを受け入れられなかった自分に戻ったようだった。オープンリレーションシップなのに、クローゼットに入ってしまうなんてなんとも皮肉だ。

一年経った今、オープンリレーションシップという道を選んで良かったと心から思える。彼氏じゃない人とデートしたり、セックスするのはもちろん楽しいが、それよりもその自由があることが心地よかったりする。彼氏に対する愛が減ったということもない。むしろ、自分自身の嫉妬心を上手に生きることができるようになった。ステキな出会いにもたくさんめぐり逢えた。今まで知らなかったセクシュアリティも発見した。自分にとって、一対一の恋愛よりもオープンリレーションシップの方が遥かに合っているのだろう。

「お前みたいなやつのせいでみんなエイズになるんだ!」

オープンリレーションシップと伝えたとたんに、そんなことを面と向かって言われたことがある。その瞬間、こうした偏見や誤解の深さに改めて気付いた。フツーと違うから、少数派だからって、それを理由にここまで言われる筋合いはない。根拠もないのに、そんな失礼な言葉を浴びせられて悔しかった。あたしが決めた生き方の是非を他人に決められたくない。だから、クローゼットから出ることに決めた。

そんなわけで、ゲイでオープンリレーションシップなキャシーよ。別に同意なんていらない。ただ自己紹介をしたかっただけ。

 

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