第136回 養育家庭体験発表会に参加してきました。

先日、渋谷区の「養育家庭体験発表会」に参加してきました。東京都では、養育家庭(愛称は「ほっとファミリー」)の理解促進のため、毎年10月と11月の里親月間を中心に、各区や市でこの発表会を実施しているとのこと、私たちは初めての参加でした。
養育家庭とは、4つの種類がある里親のうちの一つで、「様々な事情により家族と暮らせない子どもを一定期間、自分の家庭で養育する里親」です。
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里親制度については、以前こちらの記事でも養子縁組とあわせて書かせていただきましたが、LGBTが子どもを含めた家族になることを考えるときに、これから選択肢の一つになっていくものだと思っていて、私たちは社会的養護にもとても関心があるため、今回参加してみました。
会では、担当の方から里親制度についての説明、実際の養育家庭の暮らしを追ったDVDの鑑賞、そして実際の里親さんの貴重な体験談をうかがいました。
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里親制度は都道府県によって運用規則が定められていて、東京都の規定では養育家庭の申し込み資格は「都内に住んでいる、25歳以上65歳未満の夫婦」となっています。この条件にあてはまらない場合には、保育士等の資格があるなど他の条件に適えば申し込みができる場合もありますが、普通に同性カップルとしては、東京都では養育里親として登録することができません。
ちなみに、渋谷区では同性パートナーを「結婚に相当する関係」と認めるパートナーシップ証明書の発行も始まっていて、渋谷区のパートナーシップ証明書があっても登録できないのか、担当者に聞いてみましたが、現状はできないとのことでした。(渋谷区の証明書や世田谷区の宣誓書の受領証があってもなくても)同性カップルも里親登録できるように規定を変更してほしい、とあらためて思いましたし、会に参加した後、東京都の担当部署にも電話をかけて、当事者としての声を届けました。
里親になる要件等は法律で定められているものではないため、各自治体の裁量によるところが大きく、例えば大阪市では、LGBTも里親登録可能という方針を打ち出していて、地域によっては同性カップルでも登録できる場合もあります。
虐待などで家族と暮らすことができず、家庭環境を必要としている子どもがたくさんいます。都内には、様々な理由で親と一緒に暮らすことのできない子どもが約4,000人いるのに対して、里親登録している家庭は491家庭しかないそうです。養育家庭で育つことのできる子どもはごく一部で、残りの子どもたちは児童養護施設などで暮らしています。「異性カップルか同性カップルか」ではなく、「子どもを受け入れることができる大人か」という観点で判断してほしいと思います。
里親関連で、こちらの新刊もご紹介。
『うちの子になりなよ(ある漫画家の里親入門)』(古泉智浩著、イースト・プレス)
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この本は不妊治療の末に里親登録をして、0歳児の赤ちゃんを迎えたご夫婦の記録です。「里親日記」と「里親入門」の2部で構成されています。
前半の里親日記では、里子としてやってきても、子育て自体は実子を育てるのとなんら変わらないことがわかります。(ただし里子の場合、親権は実親にあり、里親にあるのは養育権なので、「実親が子どもを返してくれと言ってくるのではないか?」という不安を抱えていることが語られます)
後半は不妊治療や里親制度について書かれています。里親制度についてはまだまだわからないことも多いので、私は後半の里親入門の部分をもっと詳しく読んでみたかったです。当事者の視点から語られている、とても貴重な体験記だと思いました。
私たちふうふは一緒に暮らし始めて4年、結婚式から2年半になります。ふたりで生きていく中で、いろいろなことについて毎日少しずつ話し合うことが大切だと痛感しています。
いそがしい日々に追われて余裕をなくしそうになることもありますが、長い人生の中で大切なことに関しては、時間をかけてお互いの考えを知って、擦り合わせる必要があると思います。仕事のこと、お金のこと、子どものこと…。
とくに子どものことは話し合うのに時間がかかります。
血のつながった子どもを持ちたいと思っているのか、養子縁組や里親制度を利用して子どもを迎えたいのか。
子どもを持たない人生についてはどう考えるか。
すぐに答えを出すことはとてもできません。
妊娠・出産についてだけでも、不妊治療をするとしたらどこまで進むのか。
妊娠したとしたら、病院で産む、自宅で産むなど出産にはどういう希望があるのか。
はたまた無痛分娩についてはどう思うかなど、パートナーといえども考え方が違う場合もあるし、知らないことはふたりで協力して情報を集めてから相談しなければなりません。
私たちは子どもを持つことに関して、かれこれ2年以上具体的に話し合ってきました。
将来、子どもを持つかもしれないと考えている方は、少しずつでも情報を集め始め、パートナーがいる方はパートナーと話し合い始めることをおすすめしたいです。というのも、思った以上に時間がかかるからです。もちろん、途中で考えが変わることもあるでしょう。まずは一冊でも二冊でも本を読んでみたり、実際に子育をしている人(身近な家族でも、LGBTの家族でも)のお話を聞いてみたり、またそれをきっかけにパートナーと夕食後にでも話してみてはいかがでしょうか?
私たちはお互いの仕事の状況、体調などに配慮しながら、ふたりきりでくつろいで話せる、できるだけ落ち着いた環境で話し合うようにしています。

この連載も一つのきっかけにしていただければとても嬉しいです。

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会で配布された里親募集のチラシ

 

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