第19回 続・同人作家さんと税金~同人専業編~

 

こんにちわ。LGBTフレンドリーな会計事務所、税理士の上村大輔です。年末年始、いかがお過ごしでしたでしょうか。今年は暦の関係で、短い休みだった方も多かったのでは。私もあまり休めませんでしたが(涙)、でもあるイベントに行きました。そう、それは東京ビックサイトで年末に3日間開催された「コミックマーケット89」! 12月31日だというのに会場はすごい人だかり……満員電車みたいになっているところもありました。でもいつも思うのが、コミケの多様性に対する懐の広さ。自分が好きなものが普段は世間的には少し肩身の狭い思いをしていても、この場では堂々と発表できます。そしてサークル(販売する側)の皆さんはとっても、輝いているんです! これは、LGBTジャンルも同様。BL、百合、女装、ケモノ系……などのLGBTジャンルの作品でも、特別扱いはせずに、普通に、ある一角あるいは他のジャンルに混ざって、当たり前のように受け入れられています。

前置きが長くなりましたが……今回は、LGBTにも縁の深いコミケへの出展などの同人活動に「専業」されているか方にスポットを当て、オススメの節税策を書いてみたいと思います。前回の記事では、同人作家さんの税金について大まかな話をしていますので、まだ読んでいない方は是非そちらから(今回は少し突っ込んだ内容になっていますので)。

1.まずは「青色申告」
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同人作家さんの中には、結構儲かっていて、あるいは色々な事情で、同人活動に専業をしている方も少なからずいるようですね。そのような方にまずオススメしたいのが、所得税の「青色申告」制度。所得税の確定申告には、「白色申告」と「青色申告」という2つの種類がありまして、個人事業により収入を得る「事業所得」については、申請によって「青色申告」をすることができます。これ、何が良いかと言うと……複式簿記という方法で経理をするという条件がつきますが、最大65万円の控除を受けられたり、他にも結構いろいろな税務上の特典がついてくるんです。通常、収入から経費を引いた所得に対して税率をかけて税金が課されるのですが、課税される所得からさらに65万円を引けるので、とっても大きな節税になります。

しかしネックになるのが、複式簿記……これについては、まずは日商簿記3級(あるいは4級)のテキストで勉強するのが遠いようで近い道なのですが、とはいえ苦手意識がある方も少なくないかと思います。安心してください(笑)、最近では、会計ソフトを使えば、簿記の知識がなくても、青色申告の要件を満たす経理ができることになります。もちろん簿記の知識は無駄にはならないので、ちゃんと勉強するというのはとっても良いと思いますが。

詳しくはコチラ(国税庁ホームページ)

2.「国民健康保険組合」で保険料をお得に
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個人事業主になると無視できないのが、国民健康保険の負担。会社員の方だと給料から天引きされていつの間にか(会社加入の健康保険を)支払っているケースが多いのですが、個人事業主だと、忘れた頃(6月頃)に、前年の所得に応じた国民健康保険の納付書が来て、これが結構高いので少し慌てたりします。40歳以上だと介護保険料もあるので特に……。まぁ、仕方ないっちゃ仕方ないのですけど、安くなる方法があります。それは、「国民健康保険組合」。最後に“組合”がついている通り、お住まいの自治体ではなく、同じ業種などの方が集まって相互扶助でやりましょう~という制度です。医療機関での自己負担割合は、自治体の国民健康保険と同じ3割なのですが、保険料が前年の所得によらず一定額のところが多いので、結果的に安くなる場合があります。

国民健康保険組合は色々あるのですが、同人作家さんに関係あるところというと、例えば「文芸美術国民健康保険組合」など。ただし、この組合に入るためには、加盟団体の会員である必要があるという二重構造? になっていまして、同人作家さんだと業種的に、「日本漫画家協会」「日本ネットクリエイター協会」などの会員になれるのではないかと思われます。これらの会員になると、入会金や会費の支払が発生しますが、それを含めてもなお、国民健康保険料の安くなる額が大きくてお得になるケースが結構あるようです。

※実際に文芸美術国民健康保険組合および加盟団体に加入できるかどうかは個別の審査基準がありますので、詳しくは直接各団体にお問合せ下さい。

3.老後資金の不安には「小規模企業共済」
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そして同人専業の方にオススメしたい節税策をもうひとつ。「小規模企業共済(しょうきぼきぎょうきょうさい)」です。これは、個人事業者の退職金(フリーランスは誰かから退職金をもらうという事はないので)としての性質があり、しかも掛金の全額が所得控除を受けられる(節税になる)公的な制度です。

掛金は月1,000円から月70,000円まで500円単位で任意に設定ができ、しかも途中で上げたり下げたりすることができます。そして個人事業を廃止した時や一定の年齢(65歳)になった際に共済金を受け取ることができるのですが、この受取の際にも税金が安く抑えられているという点も、非常にありがたい制度です。同人活動に専念しているけど、老後資金が心配な方……是非ぜひご検討くださいませ。

詳しくはコチラ(独立行政法人中小企業基盤整備機構のホームページ)

いかがでしたでしょうか。同人専業の方、と一口にいっても色々な状況の方がいるので、これらの節税策がフィットする方やそうでもない方もいると思いますが、今後も個人事業で同人活動をする限り、税金とは切っても切れないお付き合いになりますので、ぜひ色々とお試しいただければと思います!

【お知らせ】
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