キャシー

キャシーは“世界でゲイが一番住みやすい都市”と呼ばれているカナダ、トロントに暮らすコミュニティソーシャルワーカー。若者にHIVのこと、セーファーセックスのこと、セクシュアリティやジェンダーのことを学ぶ場を提供している。2008年に日本で大学を卒業後、トロントに留学し、2009年に現在の仕事に就く。自由気ままで、セックスポジティブで、ちょっと社会問題にうるさくて、そして恋愛は大の苦手であるゲイのお兄さん。
 Twitter:https://twitter.com/torontogay69
 ウェブサイト:http://torontogay69.com

投稿記事一覧

第89回 共同生活という愛の形

  もうすぐ80歳になるゲイの大先輩をインタビューするために、メモした住所を頼りに静かな住宅街を歩いていた。朝から降っていた雪は雨に変わって、微かに春の匂いがする。目的の場所に辿り着くと、手入れの行き届いた前庭と赤レンガが綺麗な家が目に入った。こんな可愛い家にいつか住んでみたい。そんなこ...

第88回 長続きしない恋愛でもいいじゃない

  「私たち、長続きすると思う?」 高級ランジェリーショップのセールコーナーで隣にいる女友達に似合いそうなブラを物色していると、急にそんな質問を聞かれた。ついさっきまでバストのサイズがわからないと騒いでいた彼女は急に真顔になっている。ただでさえお店の人たちからストレートカップルだと勘違いさ...

第87回 狭い箱の中で恋愛する私たち

  理想の恋人像を追いかける行為は落とし穴である。理想のタイプを持つこと自体に問題があるわけではないが、それをまったく疑わないのも少しナイーブである。好みやタイプはオーガニックな個性だと思いたいが、残念ながらそうではない。個人の選択は社会に存在する既成概念に常に影響されている。おとぎ話...

第86回 愛されるために自分の弱さを曝け出す

  「もうどうしていいかわからない」   昨年、友人の前でそんな弱音を吐いた。つい強がってしまう性格の自分がここまで素直に落ち込む姿を他人に共有するのは珍しい。静かな部屋の真ん中にあるソファーに横たわりながら自分の経験を語った。友達は横に座って、何も言わずに自分の言葉に耳を傾け...

第85回 誰も若いままではいられない

  40歳になったばかりなのに出会い系のプロフィールではまだ35歳。そうやってサバを読む人は少なくない。若い頃は年齢なんて数字でしかないと思っていた。しかし、30代に入ってから年齢という数字がどれだけ自分の価値を上げ下げするのかを痛感している。若さばかり重視する世界で年老いることは恐ろしい。...

第84回 バレンタインデーなんてもう必要ない?

  バレンタインデーは学校に行きたくない日だった。同級生の女子たちがラッピングされたチョコレートやクッキーを抱えて登校するのを見て見ぬ振りして、何事もないかのように装うのはしんどい。バレンタインデーという行事に参加できるのは限られた人気者だけの特権だ。別に参加なんてしたくはないが、そん...

第83回 目の前の痛みが怖くて別れられない

  別れたいと言い出す度に彼氏に泣きつかれて、結局別れられずにだらだら付き合っている友達は不満そうに愚痴をこぼしている。その愚痴を30分以上も黙って聞いている自分は、未だに友達がどうして別れを切り出せないのか理解できずにいた。話を聞く限り、友達はその彼氏との恋愛関係に未来はないと思ってい...

第82回 ボーイフレンド?パートナー?恋人の呼び方に悩む理由

  付き合って数ヶ月の男性を友達はやっと彼氏と紹介するようになった。数日前までデート相手と呼んでいたのに、何があったのだろうか。真剣に付き合うことを一緒に決意したのかもしれない。ソーシャルメディアで彼氏出来た宣言を済ませたからなのかもしれない。それとも、数ヶ月という物理的な時間がデート...

第81回 人の性癖を笑うな

  セックスの最中に馴染みのないリクエストをされることがたまにある。オムツを履いておもらしをしてほしい。寝たふりをしてほしい。洗ってない下着を履いてほしい。全身ツルツルになってほしい。思いっきり殴ってほしい。そんな唐突なリクエストたちにショックを受けることもあるが、もう焦ることはなくな...

第80回 セックス・ケミストリーという謎の領域

  雑誌の表紙を飾るモデルのようなイケメンとベッドの上でさっきから戯れているのに、全くムラムラしない。20代前半だった頃はどんな男だろうと体が反応した。あんまり盛り上がらないセックスも若さと勢いに任せればなんとかなった。しかし、ここ数年で性欲が落ち着いてきたのか、一気に男の好き嫌いが増えた...
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